38、4人の神
あの後、気絶している一優を背負い泣き止んだ魔神を連れてレイン達と合流する。
悪魔達は帰っていき、ゴルディアーナと聖女は教皇ウィールの悪事を教国中に公開し、逃走しようとした関係者達を全員捕らえた。
死んだ聖騎士達は手厚く葬られ、戦闘跡を俺たちも手伝って修復させた。
解放されたエグリットさんは、話を聞いてクラスメイト達に説教をすると聖女に謝罪した。聖女達は止めたが、それでもエグリットさんはしばらく頭を下げていた。
「お兄ちゃん」
俺はエグリットさんと少し会話をして別れると朝陽が現れる。
「どうした?何かあったのか?」
「うんうん。何も無いよ。
お兄ちゃん。私は、お兄ちゃんのことが嫌いだったんだ。
バイトに明け暮れて家にいないことが多いし、弱くて何も出来ないくせに正義感が強くて困った人をついつい助ける。周りの人にはいっぱい心配させて迷惑をかけるお兄ちゃんが嫌いだった」
朝陽は下を向く。
「でも、私は何にも分かって無かった。たった1人の家族なのに私はお兄ちゃんのことを何も知らなかった。
私がこうやって生きていられるのは、お兄ちゃんが命をかけて守ってくれていたからなのに。私は何にも知らなかった」
朝陽は大粒の涙を流す。
何度も手で拭うが、涙は止まらない。
「我儘ばっかり行ってごめんなさい。何も気付かなくてごめんなさい。お兄ちゃんだけ苦しい思いをさせてごめんなさい。お兄ちゃんを嫌いって言ってごめんなさい」
「謝らなくていいんだ。俺が望んでやっていただけなんだから」
「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい」
俺は泣き止むまで朝陽の頭を撫でる。
朝陽が泣き止んでから、俺は朝陽を連れて母さん達がいる部屋に向かう。
「夜月!朝陽!」
部屋に入ると母さんが駆け寄って俺と朝陽を抱き締めると、ソフィラと獣人の少女、魔神も一緒に来て俺に抱き着く。
「お母さん、苦しいよ」
「ごめんね。2人にまた会えてお母さん嬉しいのよ」
そう言って、母さんは俺と朝陽を確かめる様に何度も触る。
「こんなに大きくなっちゃって。
お嫁さんに子供も出来て、私もおばあちゃんになっちゃった」
母さんはソフィラを撫でる。
ソフィラは嬉しそうに尻尾を振る。
獣人の少女と魔神が羨ましそうに見ているので、変わりに撫でると笑顔になる。
「母さん、俺はやらないといけないことがあるんだ」
「分かってるわ。母さんはずっと待ってるから、あなた達はそれをやり遂げなさい」
「全部終わったら、みんなでまた暮らそう」
母さんと朝陽は頷く。
それから俺達はこの世界であったことを母さんに話した。
そのうちみんな眠りにつき、俺は外に出る。
「夜月、あなたに言わなければいけないことがある」
そこにはティアとヨルティア、鳥男に眠そうに目を擦る魔神がいた。
「ティア!」
魔神はティアがいるのに驚くと俺の所まで走って来て隠れる。
「マルデルが可哀想よ。早く許してあげたら」
「分かってます。それは後で言います。それよりも夜月、あなたはこの子と契約したことで4人の神と契約したことになります」
「何かあるのか?」
「君が神になる資格を得たということだよ」
鳥男がいう。
「神と契約した者は、神へと至る資格を与えられるという証なんだ。通常は10人の神と契約しなければ資格を与えられないんだけど、君は2人の最高位の神と最高位の魔神、そして邪神の頂点である僕と契約した」
「そういうことで夜月には神になる資格が与えられたのよ。
もちろん、神になるならないは夜月の自由だけど、あなたと深い絆で結ばれた子達は影響されるわ」
「具体的にはどういったことが起きるんだ?」
「全体的に能力が上がったり、病気をしなくなったり色々ね。だけど、体とかには影響がないから安心してね」
「まぁ、そういうことだから。夜月、今すぐにしなくていいからよく考えて決めるのよ」
そう言って、ティア達はそれぞれ戻っていく。
俺はマルデルを抱き抱えて俺は戻る。




