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落ちこぼれは伝説の女神と契約する  作者: 黒神レイ
三章 2人の聖女
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32、神の炎

「これより、儀式を開始する。聖女様をここへ」


私は騎士達に教皇ウィールの前まで連れられて行かれる。

聖堂の中には多くの国民が祈りを捧げ、騎士達が壁際に立ち監視している。

私は教皇の前に膝をつかされ、教皇は剣を引き抜く。


「神よ。呪われし者を封じる為に、尊き命を奪う我らをお許しください。

どうか我々にあなた様の奇跡をもたらし、この者の魂を導いて下さい」


教皇が剣を構え振り上げたその瞬間、轟音が鳴り響き聖堂の扉を傷だらけの騎士達が突き破って現れる。


「な、何事だ!」

「こういう事だ!」


ゴルディアーナ騎士団長が黄金の槍を振るい教皇に攻撃を仕掛け、ゾルが飛び出してくるが教皇を巻き込んで吹き飛ばす。


「聖女様、大丈夫ですか?」

「大丈夫です。それよりも、何故ここにいるんですか?夜月様達はどうなったんですか?」

「夜月殿は今は仲間たちと一緒にいて、生きています。私は聖女様を助けに参りました」


ゴルディアーナは私の縄を斬り、突然のことで混乱している国民に紛れ逃走する。

聖堂を出ると大勢の騎士達が駆けつけてきて、私たちを捕らえようとするがゴルディアーナが槍を振るう度、騎士達は吹き飛ばされる。


「流石は元聖堂騎士団長だね。だけど無駄だよ。またあの時の様に僕に負けるんだから」

「そうならない為に、俺はあの後も鍛えてきたんだ。俺はお前を道ずれにしてでも倒す!」


ゴルディアーナの体を黄金の炎が包み込む。


「いくぞ!」


ゴルディアーナが地面を抉りながら走り出し、ゾルに横凪の攻撃をする。

ゾルは剣で受け止めるが耐えきれず吹き飛ばされる。

吹き飛ばされた先にゴルディアーナがいつの間にかいて、ゾルをかち上げると自分も跳び連続で突きを放つ。

ゾルは突きを全て避けゴルディアーナの体を剣で突くが、その体に傷を付けることが出来ない。

ゾルを槍で殴り地面に叩きつける。


「何で僕の剣が刺さら無かったんだ」

「あいつ、神の炎を使ってやがるのか!」


ゾルの隣りに現れた黒いローブを纏った忌々しそうに言う。

しかし、すぐに笑い始める。


「馬鹿め。神殺しに選ばれただけの人間が、あの炎を扱えるわけが無いだろう。

お前の命は持ってあと1分ってところだろう」

「笑いたければ笑え。私はお前を殺す為にここに来た。

私の娘を護る為なら、私はこの命を燃やし尽くしてもいい!」


ゴルディアーナは振り返り私の顔を見る。

左頬に一筋の涙が流れているのが見えた。


「アリア、もう少しで夜月殿達が来る。この場を離れ、夜月殿達と合流するんだ」


光の馬が出現し、私を鎖でその馬の背に縛り付ける。


「お父さん!」

「行くんだ!」


光の馬は走り出し、お父さんの姿は一瞬で見えなくなった。




俺は槍を構える。

体の一部が灰となり初めている。

急がねばいけない。


「うおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!」


槍に炎が集まり燃え上がる。

灰になる速度が速まるが、俺の頭にはゾルを殺すことしか無かった。


「これで終わりだ!」

「ぐあああああああああああああああああぁぁぁ!崩れる!体が崩れる!僕の体が!」


槍がゾルの心臓を貫き、その部分を中心にヒビが入り爆裂する。

吹き飛んだゾルの破片や体は一気に灰になり消え去る。

俺は地面に倒れる。

槍の炎がゆっくりと小さくなっていく。


「終わった。これで終わったんだ。夜月殿、あとは頼みました」

「クヘヘヘヘヘ。ケ~へへへへへへへへ!残念だったな!」


突然、灰が舞い上がりゾルが消えた場所へと集まる。

灰は腕や脚を形作っていく。


「キャヘヘヘヘヘヘヘ!俺は死を司る神だ。死んだ人間を蘇らせることなど俺には簡単な事なんだよ!」

「無駄死にだね」

「そうでも無いぞ」


その声が聞こえた瞬間、ゾル達は吹き飛んでいく。


「ゴルディアーナ、娘残して死ぬんじゃねぇよ。

ゾル達は俺が殺すが文句を言うなよ」


夜月殿が触れると、灰になっていた体が元に戻る。


「あとは俺たちに任しておけ」

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