29、ゴルディアーナ
ゴルディアーナは一瞬、夜空を見上げる。
「私が聖堂騎士団長をつとめていたときの話よ。
聖堂騎士の仕事は聖女様をお守りすることで、私は常に聖女様の警護をしていたわ。
ある日教皇様と聖女様はお話をしていて、教皇様は突然倒れ亡くなったわ。すぐに原因が調べられ、教皇は毒を盛られそれをやったのは聖女様ということになったの。
私はあの場にいて、聖女様がやっていないのは分かっていたからすぐに動いたわ。
だけど、それよりも早くウィールは動いていたのよ」
ゴルディアーナは、淡々と話し続ける。
その体は怒りで震えていた。
「ウィールは裏で魔王七将の1人、魔導のウィルグラスと手を結び反対する者たちを暗殺したわ。
それとウィールが護衛として連れていたゾルという少年がいて、私はその少年と戦い負けたわ。
ウィールの目的は、封印されている魔神を呼び起こして、自分が世界を支配することよ。
魔神の封印は数年置きに凄く弱まる日があってね。封印を解くにはその日と聖女様の命が必要なの。
聖女様はその前に娘に聖女の力を全て譲渡し、聖女では無くなった自分を殺させたのよ」
ゴルディアーナは少し休み、また話を始める。
「ウィールが教皇になり、私の部下達は殺され聖女様は軟禁状態になった。
私はその力を失うのが惜しいということで、聖騎士団長になったけどそれも形だけで、ずっと地下牢に閉じ込められていたわ。
それでも生き残っていた部下が、命をかけて私を地下牢から出してくれた。私は死んだ部下達の為にも、この命が尽きるまで聖女様を守らないといけないの」
「それがお前達の理由、分かった。なら、俺達も力を貸そう」
「感謝するわ」
話が終わり解散した俺たちは、眠りにつく。
朝になるとすぐに出発した。
そして、出発してから2時間が経過した頃だった。
「夜月、来るぞ!」
「ここは私達に任せてちょうだい!【神の子である我らをお守り下さい。聖域】
巨大で透明な3枚の膜が覆い、襲ってくる矢や魔法を全て弾き飛ばす。
「聖域は聖堂騎士だけが使える魔法で、あらゆる攻撃から身を守るのよ」
「これはいつまでもつんだ?」
「10分ぐらいでしょうね。しばらくは聖域が攻撃を弾き返してくれるわ」
「一優、一緒に時間を稼ぐぞ。ソフィはこのことを伝えて、絶対に引き返しては来るなよ」
「分かった」
「あら、私も一緒に戦うわよ!」
俺と一優、ゴルディアーナは馬車から飛び下りる。
「さぁ、やるぞ!」




