26、悪魔の逆十字架
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「そろそろ国境に入る。ソフィとソフィラはこれを身に付けてくれ」
ソフィに指輪、ソフィラには首飾りを渡す。
身に付けると、耳や尻尾が消えて人族の姿に変身した。
「指輪と首飾りを外すと変身が解けて元の姿に戻ってしまうから、教国を出るまでは付けていて貰うことになる」
「分かったわ」
「外さない」
そして国境に入る。
しばらく走らせているが、教国に入ってから魔物を1匹も見てない。
「魔物が何処にもいない?」
「それは大聖堂から教国を守る為に大規模な防衛魔法が展開されていて、その膨大な魔力を補う為に魔素を魔力に変換しているからです。
魔素は魔物が産まれる元なので、その魔素がほとんど無い教国では魔物が産まれないんです」
「パパ、見て!」
ソフィラが指差す方を見る。
幾つもの黒い煙が昇り、微かにだが悲鳴が聞けえる。
俺はネーロとブランを急いで走らせる。
「見えた!」
そこには燃える村があった。
全ての家に火が付けられ、村の入り口では純白の鎧を身に纏った騎士達が獣人の少女を捕縛している。
少女は傷だらけで、体から血を流しとても危険な状態だ。
村人達は怯えた様子で座り込んでいる。
「卑しい獣を匿っていたとは、異端者共!貴様ら全員火炙りにしてくれる!
その前に、この獣をさっさと処理しなければ」
「お待ち下さい!その娘はまだ小さい子供です!どうか、どうかお見逃し下さい!」
「薄汚い異端者が私に触れるな!」
女性が騎士の隊長らしき人物にしがみつく。
騎士達は女性を殴り蹴るが、女性は掴んだまま離さない。
「ええい、もう処理しろ!」
「駄目!」
少女を捕縛していた騎士達が剣を引き抜き、少女に向かって振り下ろす。
俺は馬車から飛び出し、騎士達の首を斬り落とす。
少女を抱き上げすぐに魔法で治療をする。
「貴様!女神の寵愛を受ける我等を襲うとわ!」
「俺には女神の名を語り、無力な村人を襲う犯罪者の集団にしか見えないけどな」
「愚弄するとは!殺せ!」
隊長の命令で騎士達が動こうとするが、轟音と共にその頭が消滅する。
俺が振り返るとソフィがスナイパーライフルを構えながら手を振っているのが見えた。
すると突然、頭に鈍い痛みがする。
俺の頭に小型のナイフが突き刺さり、笑みを浮かべた隊長が立っている。
俺はナイフを引き抜き、結構いい物だったのでアイテムボックスに仕舞う。
死なない俺を見て、隊長は恐怖する。
「ち、近寄るな!化け物!」
「逃がすか!悪魔の逆十字架」
漆黒の魔法陣から、真っ黒な逆十字架が現れる。
空中に浮かぶ逆十字架から鎖が飛び、逃げようとする隊長を捕らえ縛り付ける。
「素晴らしい!何て素晴らしいの!」
「悪い子は大好きですよ」
「早く燃やそう!早く燃やそうよ!」
逆十字架の周りを3人の女性が飛んでいる。
「夜月様。この度はこんなにいい物を下さり感謝します」
「いいんだ。それより、近々多くの人間をそっちに送るから」
「はい、楽しみに待っています!ゼナ、ユラ、行くわよ」
「助けて!助けてくれ!」
2人の女性が槍を虚空から出現させ、隊長の心臓に突き刺す。
その瞬間、突き刺された部分から黒い炎が吹き出す。
隊長は痛みと苦しみから絶叫し、3人の女性と共に消えた。




