22、あなたの力になりたい
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次の日、俺達はのんびり過ごしていた。
レインとセリスとティアは、ポニポニを追いかけて遊んでいるソフィラと子供たちを見ている。
一優は新しい大剣になれるためずっと素振りをしていてる。
ネーロは今回ずっと頑張って貰ったので、ゆっくり休んで貰っている。
俺は女性達にここら辺で取れる果実を使ったお菓子を教えていた。
するとレインがこっちに向かって走ってくる。
「ソフィちゃんを見なかった?」
「見てないけど、どうしたの?」
「ソフィちゃん、朝からずっと見てないから何処にいるのかなって」
「じゃあ、俺が探してくるよ」
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私は無力だ。
それは帝国兵から逃げたあの日から変わっていなかった。
夜月が帝国兵と戦っているときも私はレイン達にただ守られていた。
私は夜月達がいなければ自分の身を守る事も出来なかった。
私は嫌だった。
力が欲しかった。
夜月達と一緒に戦える力。
夜月を守れる程の力が欲しい。
「強くなりたい」
「ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」
そのとき、雄叫びが上がり大きな音と共に木々が倒れる。
何かがこっちに向かって来る。
そしてそれは現れる。
剣山の様な甲殻を纏った体に、それを支える強靭な4本の脚。
頭には2本の巨大な角が生え、呼吸に合わせ口から炎が出る。
「何でドラゴンがここに……」
ドラゴンは咆哮をあげ、右前脚を振り下ろす。
私は急いで回避すると、ピストルを抜いて引き金を引いてしまう。
ピストルから赤い球体が発射され、ドラゴンの左顔に命中すると爆発する。
血が飛び散りドラゴンの左眼が潰れている。
「何をやってるの。
何でドラゴンに攻撃しちゃったの」
私は自分の行動が分からずそんな事を考えていたが、すぐに答えが出た。
「そうか、私はもう逃げたくないんだ。
私に夜月達と一緒に行ける様になりたいんだ」
私は思わず笑ってしまった。
自分を落ち着かせて、相手を見る。
「その為には、あんなの1人で簡単に倒せる様にしないと」
ドラゴンは長い尾を横薙ぎに振るう。
私は回避してピストルを構えると連射する。
赤い球が背中と腹に命中するが、大して効いていない。
「体は硬くて駄目。顔を攻撃しないと」
ドラゴンが何度も脚を振り下ろすが、それを回避していたそのときだった。
私は脚をもつれさせ転んでしまう。
ドラゴンは炎のブレスを吐いて私を燃やす。
しかし、私は燃やされる前に跡形も無く消える。
ドラゴンは何が起こったのか分からず動きを止めた瞬間、右顔が爆発を起こり右眼も潰れる。
ドラゴンは咆哮をあげ、ブレスを放つが眼を潰され相手が何処にいるかわからない為、ソフィにはまず当たらない。
「私の勝ちよ」
ソフィは赤い球を発射する。
赤い球はドラゴンの口に吸い込まれ、頭を爆発で完全に吹き飛ばした。
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俺は森の中を走っていた。
そして俺は首の無いドラゴンの死体と地面に倒れているソフィを見つける。
「ソフィ!」
「夜月……」
「大丈夫か、何処か怪我はして無いか!」
「大丈夫だよ。それより、私が倒したんだよ。逃げないで私が倒したんだよ。
私も戦える。あなたの力になれる」
ソフィは俺を真っ直ぐ見る。
俺はソフィの頭を撫でる。
「分かった。だが、もう無茶をしないでくれ」
「ごめんなさい」
「みんなの所に戻るぞ」
俺はソフィを抱き上げると村に向かって歩く。




