20、ヤーガン鍛冶屋
新しい武器が登場します。
次の日の朝、街は昨日とは別の理由で騒ぎが起こっていた。
昨晩、獣王の寝室にこの国の貴族のバルク・ミラライトの悪事が書かれた書類が置かれていた。
獣王は事実か確認する為に屋敷に訪れると、バルク・ミラライトの首が屋根から吊るされているのを発見した。
現在、バルク・ミラライトを殺害した者を全力で探している。
俺達はその中を黙々と歩いていた。
俺の隣をソフィラが頭にグランスライムのポニポニ(ソフィラ命名)を乗せて歩き、その後を一優が欠伸をしながらついて行く。
レインは昨晩、宿の厨房を借りて作ったビスケットをセリスとティアと一緒につまみながらのんびり歩いている。
「本当にあるのかな?」
「ここら辺だと聞いたんだが」
その時、目の前の建物からボロボロの男が飛んで来る。
中から、巨大な山賊刀を持った男が出てくる。
「こんな店二度とくるか!」
「お前みたいな客は来るな!次は殺すぞ!」
ボロボロの男は悲鳴をあげると走り去って行った。
男は俺達の方を向く。
「お前らも俺の店に用ががあるのか!
だが俺は気に入った奴にしかって、おいお前のその剣はモー兄さんが造ったのだろ!」
「モー兄さん?もしかして、エスペラント王国にいるモーガンさんのことか。
俺は夜月。この剣はモーガンさんが造り俺にくれた剣だ」
「そうか、俺はモー兄さんの弟のヤーガンて言うんだ。
モー兄さんが認めた相手だ。よし、中に入ってくれ」
中に入ると、沢山の武器が綺麗に整理され置かれていた。どれもこれも業物ばかりで、その殆どが魔力を宿している。
「早速だが夜月、剣を見してくれ」
俺は剣をヤーガンに渡す。
ヤーガンは眼鏡をかけるとその剣をじっくり見て笑った。
「この輝きはちゃんと手入れがされている剣だ。だが少し剣にガタが来ているから、剣を修理してもいいか?」
「お願いする」
「分かった。大体3時間くらいで終わるからな。
さて、他にはあるか?」
「俺は大剣を2本使っているんだけど、1本壊れて使え無くなって何かあります」
そうするとヤーガンは立て掛けてあった1本の大剣を持って来る。
「これは大昔に造られた物で、ロックドラゴンからごく稀に取れる希少な鉱物を材料にした代物だ。
使えれば間違い無くすげぇ武器なんだが、こいつは重過ぎて今までどんな奴が振るおうとしても持ち上げることすら出来なかった。
どうだ、お前も試してみないか?」
一優は大剣を掴むとそれを振るう。
しかもそれを片手でやったので、ヤーガンは驚きそして大笑いした。
「ハハハハハハ、まさか片手で振るうとはな!
よし、そいつはお前にやるよ!」
すっかり上機嫌なヤーガンは今度は杖を持って来るとレインに渡した。
「嬢ちゃんのそのすげぇ魔力量に、今使ってる杖は耐えられなくなる。
その杖は世界樹の一部を削って造った物だ。
今後役に立つ時が来るから、貰ってくれ」
「ありがとうございます」
「よし、それじゃあ俺は剣の修理に取り掛かるかるか」
俺達はいったん店を出て、昼食を食べたり今後の事について話し合ったりして時間を潰す。
そして再び店に戻る。
「来たな。今、仕上がったところだ」
俺はヤーガンから剣を受け取る。
剣は鋭さが増し、少し重くなっていた。
「メタルファルコンの爪を使わせて貰ったぞ。
メタルファルコンは大型の魔物で、名前の通り体が鋼鉄で出来ている。
その魔物が1番危険なのは爪で攻撃する時だ。
その爪は硬く鋭く、オリハルコンで出来た鎧を簡単に斬り裂く。
それを剣の特性を損なわない様、なおかつ耐久力と斬れ味をあげる様に打った。
それと魔力を流してみろ」
言われた通りに魔力を流すと、風の刃が3つから5つに増えていた。
「相性が良かったらしいな、その他にも剣に風の刃を纏わせて、強化したりなど出来るぞ」
「ありがとうございます」
「おう、お前らはいい客だ。何か困ったらいつでも来い。
それと弟達にもお前らの事を伝えといてやるからな」




