12、ソフィ
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しばらくすると、レイン達がやって来た。
一優を見た瞬間、レイン達は武器を構えようとしたので、俺は慌てて止め一優の事を紹介した。
今はティアに月狐族の少女の容態を調べてもらっている。
「強い眠り薬を投与されただけで、異常は無かったよ。
薬の効果を消したからすぐに起きるよ」
「あっ、起きた」
月狐族の少女はゆっくりと眼を開ける。
俺達の姿を見ると悲鳴をあげ暴れ出した。
「嫌!来ないで!」
「落ち着いて、私達はあなたの味方です」
「嘘よ!そう言って、私を帝国に連れて行くつもりでしょ!」
「嘘じゃない。俺達は君の味方でオルガーナに送り届ける。
それに君を帝国に連れて行くんだったら、わざわざこうやって外に出したりしない」
月狐族の少女はしばらく俺達をじっと見つめる。
「本当に信じてもいい」
「あぁ、絶対に君をオルガーナに連れて行く」
「分かった。信じるわ」
「俺は夜月だ。それで仲間のレインとティアにネーロとセリス、一優だ」
「私はソフィ」
俺達はソフィに何があったのか事情を聞いてみた。
それによると5日前、月狐族が住む森に帝国の兵士達が来て火を放ち、逃げる月狐族を捕まえていった。
そして月狐族の老人は奴隷にしても使えないという事で、その場で殺された。
若い月狐族は全員檻に閉じ込められ、毎日数人に強い眠り薬を飲ませてから箱に入れ、商人に化けた帝国の人攫いに運ばせていたということだ。
「酷い人達だ」
「夜月、早くオルガーナに行こう」
「そうしたいんだけどね。どうやらお客さんが来たようだ」
前方から黒い鎧を身にまとった兵士達が走って来て、剣を抜き構える。
その後から馬に乗った騎士と連れて行かれたはずの人攫いが現れる。
どうやら帝国の兵士達のようだ。
「こいつです」
「こいつがそうか。
まったく、さっきの冒険者といいこんな獣風情に味方するとは馬鹿な奴らだ。
小僧、月狐族の女とそこの女達を渡せば命だけは助けてやる」
「三下が意気がるんじゃねぇよ」
俺は威圧を発動する。
流石は訓練されているだけあって、気絶する者はいないが全員顔を青くしてその場から動けなくなった。
「串刺し荒野」
帝国の兵士達の足元に魔法陣が現れ、真っ黒い巨大な針が飛び出し兵士達を串刺しにしていく。
串刺しをまぬがれた騎士と人攫いの2人は体を震わせ、俺に向って命乞いを始める。
「ひぃ!こ、殺さないでくれ!」
「た、頼む!何でもするから!だから殺さないでくれ!」
「苦しみながら死ね。呪炎」
騎士と人攫いを紫の炎が包み込む。
2人は絶叫をあげながらのたうち回る。
この炎は相手に苦しみを与えながらゆっくりと燃やしていく。
そして、骨も全て灰にするまで死ぬことを許さない呪いの炎。
「助けて、助けてくれ!」
「熱い、熱い、熱いいいいいいいいい!」
俺はレイン達を連れてその場を離れる。
後ろからは2人の絶叫が永遠と続いていた。




