11、再開と出会い
怪しい商人登場。
消えた勇也は何処に行った?
ハイレールの街を出た俺達は、ゆっくりオルガーナに向けて歩いていた。
すると突然ネーロが立ち止まる。
「どうしたんだネーロ?」
「夜月、前方に馬車と人間が3体の魔物に襲われている」
「夜月」
「俺は魔物を始末してくる。
みんなは魔物の反応が無くなったら来てくれ」
俺はそう言って走ると前方に巨大なトカゲの魔物が、馬車を襲っていた。
馬はすでに死体になっていた。
1人の冒険者が1体と闘い。
数人の冒険者達が残りの2体の方を応戦しているが、魔物には全然効いていない。
俺はスピードを上げ、一気に近づくと2体の魔物の首を斬り落とす。
「大丈夫か?」
「ありがとう、助かった」
「もう1人闘ってるんだが、そっちの方も頼む」
「いや、もう終わるよ」
その冒険者は2本の大剣を構える。
魔物は突進するが避けられ、体をバラバラに斬られた。
大剣を背中に背負いこちらに振り向き俺の顔を見たら、満面の笑みを浮かべ駆け寄ってくる。
「久しぶりだね、夜月くん」
「どうして一優がここに?」
一優は俺の友達の1人で大柄で身長は190を超えている。その見た目から怖がられることが多いのだが、優しい性格で面倒見がいい。
近所の子供たちから物凄い人気がある。
「僕は召喚された次の日に、王様に頼んで冒険者として活動してたんだ。
みんな元気にやってるの?」
俺はこれまで何があったのかを一優に全部話した。
「そんな事が起きてたのか……。
ごめん、夜月くんがそんな大変な目にあってたのを知らなくて」
「いいんだよ。それより一体何があったんだ」
「オルガーナの商人の護衛依頼を受けて、 ハイレールを目差して移動してたら魔物の襲撃を受けてね。
走って逃げてたんだけど、馬を殺されて動けなくなったから、闘ってたんだ」
一優に話を聞いていると、頭にターバンを巻いた男が近ずいてきた。
この男がその商人らしい。
「ありがとうございます。助かりました。
あなたがいなかったら被害が大きくなっているところでした。
お礼に好きな物を持っていってください」
俺は荷台に置かれた物を見ていく。
そして奥の方にまるで隠す様にして巨大な箱があるのに気づいた。
俺はそれを外に引っ張り出す。
そして開けようとしたとき、商人が慌ててやって来た。
「その箱だけは駄目です!」
「どうしてだ?何か見てはいけない物でも入ってるのか?」
「いえ、そういうわけではないんですが……」
「一優、その商人を抑えててくれ」
「分かった。皆さんも手伝ってください」
「ちょっ、離してください!お願いです、その箱だけは開けないでください!」
俺は一優と冒険者達に商人を抑えててもらう。
そして、その箱を開けると中には獣人の少女が入っていた。
「月狐族じゃないか」
「月狐族?」
1人の冒険者が少女を見て言った。
「月狐族は獣人の中でも1番数の少ない種族で、森の奥深くで暮らしている。
見た目の美しさから、帝国では奴隷として高額な値段で取り引きされる」
「そんな月狐族がこんな風にされているんだから」
「そいつは商人に化けた帝国の人攫いだな」
「どうするんだ?」
「俺達がこいつをオルガーナに連れていくから、あんたはその娘と一緒に後で来てくれ。
事情は俺達が話しておくから」
商人を縄で縛ると彼らは先にオルガーナに向って行った。
その場には少女と俺、一優が残っていた。
「夜月くん、どうするんだ?」
「仲間が来るから合流して、この娘が起きたら出発しよう」




