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落ちこぼれは伝説の女神と契約する  作者: 黒神レイ
二章 帝国と月狐族
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10、国境の街ハイレール

消えていたので直しました。

獣人の国オルガーナに向っていた俺達は、国境にあるハイレールの街に来ていた。

オルガーナに入るには必ずこの街を通らなければならない。

俺は身分を証明出来る物が何も持っていないので、ギルドに登録してギルドカードを発行してもらう必要があった。

レインは水色のワンピースと緑のローブに着替えて貰った。


「ここが冒険者ギルドか」


ギルド内は広く、入り口正面はカウンターになっていて数人の女性が受付を行っていた。

左手は酒場になっていて、多くの冒険者が料理を食べたり雑談したりしている。

俺は空いていた所に並ぶ。

前髪で目元を隠している女性が立っていた。


「冒険者ギルドハイレール支部にようこそ。ご要件はなんですか?」

「冒険者登録をしたい」

「分かりました。では、こちらに血を一滴垂らしてください」


女性は1枚の紙を取り出すと渡してくる。

俺はナイフで指を少し刺すと、血を一滴だけ紙に落とす。

するとその紙に、俺の名前と年齢、性別にステータスが表示される。


「ではギルドカードを発行するので、少し待っててください」


女性はカウンターの奥に行き、しばらくすると1枚のカードを持ってきた。


「これが夜月さんのカードになります。

そのカードはランク上がるごとに更新されます。

ランクはF~Sまであり、夜月さんはFランクからです。

カードは失くしても無料で再発行が出来ます。

最後に犯罪などを犯すと、ギルドから登録を抹消され、お尋ね者として全国に指名手配されます」

「分かりました。

素材の買取りは何処ですればいいんですか?」

「素材はここで渡して貰えれば、すぐに鑑定をして買取ります」

「じゃあお願いします」


俺は腰に付けていた袋から素材を取り出し、カウンターに置いていく。

本当は全部出して買い取ってもらいたいが、量が多過ぎるので我慢した。

女性は黙々と素材を鑑定していく。


「凄いですね。B~Aランクの魔物の素材ばかりです。

しかもどの素材も良質な物ばかりです」


女性は鑑定を終えると金額を提示した。

買取り金額は大金貨20枚と金貨500枚に銀貨300枚だった。

俺はそれらが入った袋を受け取ると、袋が消えた。

女性とレイン、冒険者達が驚いている。


「夜月、今のどうしたの!?」

「アイテムボックスていう名前で、任意で物をしまったりだしたり出来るマジックアイテムだよ」


これは地上を目指していたときに、たまたま見つけた宝箱の中に入っていた物で、装着した人の任意で物をしまったりだしたり出来るマジックアイテム。

ちなみに装着した本人にしか使えなくなるので、盗まれたとしてもただのガラクタになる。


「まったく、規格外な人が来ましたね」


女性は楽しそうに呟いた。




「よし、これでオルガーナに行けるぞ」

「楽しみ」

「初めて、行くので楽しみです」


冒険者ギルドを出た俺達はティア達と合流して、オルガーナの方向にある門に向っていた。

しばらく歩いていると眼の前から、5人の冒険者が道を塞ぐ様に現れる。

後ろからも8人の冒険者が来て完全に塞がれる。


「兄ちゃん。悪いことは言わねぇから、有り金全部と女を置いて行きな」

「素直に言うことを聞いた方が身のためだぞ」


この男達はギルドにいて、夜月が大金を手にしていたのを目にしていた。

そしてギルドを出た俺達をずっとつけていた。


「力の差も分からないのか?」


俺はその男達に向って威圧を放つ。

その瞬間、男達は白目を向き泡を吐いて倒れる。


「こんなもんか」

「あたりまえだ。夜月の威圧に耐えられる人間が沢山いては困るよ!」

「凄い。私も出来る様になりたい」

「レインは無理しない」


門に辿り着くと見張りの兵士達に冒険者カードを見せ、くぐり抜ける。

ネーロに乗りゆっくりオルガーナに向って歩き出す。



─────────────────────────────



「畜生が!おい、早く酒を持ってこい!」

「お客様、少々飲み過ぎでは……」

「早く酒を持ってこい。殺されたいのか!」

「分かりました。直ちに持って参ります」


店員が走って去っていく。


「糞、全部あの無能が悪いんだ」


あれから4日が経った。

夜月に負けた勇也の噂は、現在街にまで広まっていた。

街を歩けば指を指され笑い者にされる。

俺は勇者だ。

俺が最強なんだ。


「なのに何故あの無能が!」

「お隣いいですかな、勇者様」

「なんだお前は!」

「初めまして、私は商人のモルドーといいます。

実は勇者であるあなた様に使ってもらいたい物がありましてね」


モルドーは1本の剣を取り出す。


「この剣です。ぜひ手に取って見てください」

「なっ、こいつは凄い!」


剣を握るとどんどん力が湧いてくる。


「どうです?気に入ったのなら勇者様に差し上げます」

「いいのか!」

「えぇ、いずれ英雄になる勇者様にぜひ使ってもらいたい」

「ありがとう。こいつさえあればあの無能だって」


モルドーは1人興奮する勇也を置いて店を出る。

その顔には醜く歪んだ笑顔を浮かべている。


「せいぜい私達の為に動いてください、勇者様」




その次の日の朝、ある1軒のマジックアイテムの店が襲われた。

店の主である1人の老婆が滅多刺しにされ死んでいた。

そしてその日を境に勇也の姿が消えた。

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