1、異世界に召喚される者達
他の作品を書いていたとき、思いついたので書きました。
「このクソが!」
そう言って、僕は腹を思いっきり殴られる。
痛みで倒れた僕を、何度も何度も蹴ってくる。
僕が苦しむ姿を数人の生徒がゲラゲラ笑いながら見ている。
「おい、誰か来るぞ!」
「早く出ろ!」
「せっかく、面白い所だったのに……」
生徒は慌てて出ていくと、入れ替わりに別の生徒が入ってくる。
「お兄ちゃん!」
「夜月、大丈夫か!」
「また勇也達にやられたの?」
「大丈夫だよ」
武雄と玲子、双子の妹の朝陽が来た。
朝陽は僕と違って成績優秀で運動神経抜群、そして美少女だ。
武雄と玲子は小学校から一緒で、僕と朝陽とは幼馴染だ。
「何処が大丈夫なんだ!毎日やられてるんだろ!」
「先生に話した方がいいよ」
「大丈夫。心配しないで」
実際に僕は先生に相談したがことが何度かあるが、勇也が学園長の息子という事もあって、自分の身を守るため先生は何もしてくれ無かった。
「でも……」
「大丈夫だから、心配しないで」
僕が立ち上がろうとしたが、体が動かなかった。
僕は何度も体を動かそうとするが、体はピクリとも動かない。
朝陽達も同じ様で、足元に白く光る陣が浮かび上がる。
陣は光を強めていき、僕達を呑み込んだ。
光が消えると僕達は知らない広い広い部屋に立っていた。
天井も遥かに高く、巨大なシャンデリアがぶら下がっている。
周囲を見ると、僕達以外のクラスメートや教師が戸惑った様子で挙動不審になっている。
「おお~!転移魔法が成功した様だな!」
「はい、106名の異世界人の召喚に成功しました」
「これで世界は救われるのだな!」
「はい、ですがまず彼らを鍛えなければ……」
部屋の最奥にある玉座に腰掛けたおじさんと、右手に水晶を持った老人が話している。
会話が一段落すると、おじさんが立ち上がる。
「私の名はエスペラント王国23代目の王、エスペラント・ライ・ウェインだ。突然だが異世界の者達よ、この世界を救ってくれ」
「救ってくれって、どういうことですか?」
勇也が王様に聞く。
勇也は運動神経が良く顔も良いので、男女ともに人気がある。
しかし、1度でも彼に嫌われるとその相手は痛め付けられる。
「我々の世界は今、魔王に攻撃されている。
魔王は勇者でなくては倒せないのだが、異世界人にしか勇者の力を持つことが出来ない。
だから、君達の力を貸して欲しい!頼む!」
王様は土下座をする。
老人が起こそうとするが、頑として止めない。
「分かりました。みんな、この世界を救おう!」
「任せろ!」
「やってやるぞ」
「みんな、頑張りましょう」
勇也の発言で、みんながやる気になる。
「ありがとう。では、さっそくステータスを鑑定するぞ」
「ここに並んでください」
老人の前にみんなが並び、ステータスを次々鑑定していく。
白河勇也 17歳 男 レベル.1
職業:勇者
筋力:200
体力:150
耐性:200
敏捷:200
魔力:250
魔耐:200
スキル
全属性耐性・全属性適性・物理耐性・複合魔法・剣術・剛力・縮地・気配感知・魔力感知・言語理解
壁之武雄 16歳 男 レベル.1
職業:騎士
筋力:300
体力:350
耐性:250
敏捷:50
魔力:50
魔耐:200
スキル
全属性耐性・鉄壁・金剛・剛力・剣術・大剣術・盾術・身代り・大防御・不動・気配感知・言語理解
冷川玲子 17歳 女 レベル.1
職業:暗殺者
筋力:150
体力:150
耐性:100
敏捷:350
魔力:300
魔耐:250
スキル
暗殺・隠密・分身・夜目・気配遮断・気配感知・魔力感知・縮地・空歩・短剣術・投擲・言語理解
空風朝陽 16歳 女 レベル.1
職業:聖女
筋力:100
体力:150
耐性:400
敏捷:200
魔力:500
魔耐:400
スキル
全属性耐性・全属性適性・祝福・幸運・気配感知・魔力感知・四大魔法・回復魔法・言語理解
「おぉ、レベル1でこのステータスは凄い」
「勇者以外にも見た事が無い職業やスキルがあった」
「最後は君だけだ」
僕が最後に鑑定してもらう。
空風夜月 16歳 男 レベル.1
職業:?
筋力:10
体力:10
耐性:10
敏捷:10
魔力:3000
魔耐:10
スキル
再生魔法・鑑定・言語理解
「魔力以外のステータスが全て10……。
しかし、魔力だけを見れば凄いステータスだ」
「あの、僕はどうすれば……」
「一応、他の皆さんと同じ訓練などをして様子を見ましょう」
「分かりました」
僕のステータスはみんなのと比べて異常なステータスだった。
周りのみんなは、僕を見てくすくす笑っている。
僕はこの世界でも落ちこぼれだった。




