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Ride the wind

その3


音がする。唸り声だ。目が覚める。目を擦りながら声のする方向に顔を向ける。…狼?狼!まずい、配達中に狼はまずい。ざっと見て3頭、弾を込め、拳銃を放つ。当てる気は全くない。ただの威嚇だ。大きな音に怯む狼。今なら逃げられる。鞄を掴み走り去る。振り返ると一角獣の死体に群がる狼。獲物はあちらだったようだ。そういえば配達だ。そう私は郵便配達員だ。そうだったはずだ。やっと自分のことが一つ思い出せた。

昨日は一角獣との戦いのせいで狼煙のもとへはたどり着けなかったが今日は1日かければなんとかなるだろう。それにしても空腹が堪える。最後の食事は昨晩、寝る前に食べた握り飯だけだ。一つずつ食べていたがこれでなくなってしまった。

火が必要だ。拳銃を使えば肉は獲られるが、そのままでは食べれない。川を見つけても煮沸できなければ安全とは言い難く、口をつけることはできないだろう。

火を手に入れる手段として一番良いのがやはり火のあるところに行くことだろう。弾から火薬を取り出すこともできるが危険だし、限りあるものはできれば使いたくない。

なによりも狼煙のもとへ向かうのが優先だ。


しばらく歩き続けると再び同じ場所に狼煙が上がった。これは良い。定期的に煙が上がるということは人がいる可能性が高い。なんとか生き延びることができそうだ。


最悪だ。あとひと頑張りというところで小鬼に囲まれた。妖怪というのはこんなにはっきり顕れるものなのだろうか、初めて見たが背丈は腰より高い位だろうか。一匹ずつなら蹴り飛ばすことも出来そうだが数が多い。10匹かそれより多いだろう。弾も気力も正直に言って限界だ。狼のときのように威嚇して走り抜けよう。小鬼から目を離さずにポケットから弾を出し、込める。目の前の一匹を撃ち抜き、そのまま蹴り倒して走る。遠くに村が見える。あと少し。背後に小鬼が迫る。なんでだ。全く怯んでいない。こちらに向かって小鬼たちが走ってくる。たどり着けない。ここまで来たのに。

「頭、下げろ」

無意識に体を伏せると上をとてつもない速さのものが通過した。背中が軽くなる。

しばらく腕で頭を被い伏せていると

「終わったぞ、頭、上げろ」

低い声にしたがって頭をあげると目に映ったのは緑色の見たことのない形の大剣と

「ゴリラ?」

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