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Ride to the horse

馬に乗り損ねます

その2


背の低くなった森を抜けていくと広い草原に出た。遠くに狼煙が上がっている。人がいるかも知れない。次の目的地はあの狼煙の下にしよう。

それ以外はなにか無いだろうか。足跡だ。馬だろうか、蹄のような形の足跡がある。狼煙は遠い、歩いて向かうのはかなり厳しいだろう。馬があれば心強い、方向もほぼ同じだ。なら捕まえようとする価値はあるだろう。

足跡に沿って歩いていく。

先に一頭の馬がいた。こちらに向かって走ってくる。あれは馬か、違うな。馬に角は無いはずだ。ではなんだ、あれは。

違う、考えている場合じゃない。あれは確実に私を狙っている。このままでは刺される。

急いで鞄を漁る。あれだ。あれを出さねば。

反対側へ走りながら拳銃を引き出し弾を込める。焦りで手元が狂う。

2発、なんとか入った。

1発でいい、当たりさえすれば。

1発目、一角獣の角が跳ねる。突進は止まらない。頭はダメだ。角が硬くて弾が通らない。とにかく当たれ。

角を突き出し、疾走する一角獣。頭が下がっている。胴体になら当てられるかもしれない。当たれ。

撃ち出される最後の弾丸。回転しながら一直線に胴体を貫いた。悲鳴をあげる一角獣、勢いを殺し切れず崩れ落ち、地面に激突する。それは臥せたあともジタバタと動き回る。未だにうねる螺旋の角と暴れる蹄は危険で近寄ることができない。

私は走り逃げた道を逆走し、落とした4発の弾を探す。なんとか4発とも見つけることができた。

落とした弾はあまり使いたくないが幸い踏まれていなかったので使えると判断し、1発だけ装填する。

一角獣の所へと戻ると弱ってはいるもののやはり恐ろしく、近寄り難い。トドメとして心臓に撃ち込むため3歩ほどの距離まで近づく。パンッ。大きな音が響き、一角獣は動かなくなる。

結局、恐ろしさの方が上回って足となるものは得られなかった。しかし、得るものが無かった訳ではない。ここでも武器は通用するらしいし、一角獣の角を手に入れることができた。

ちなみに角は頭蓋から生えているらしく、角単体を引き抜くことはできなかった。つまり角は首を切り落とし頭ごと持っている。手持ちにはしたくなかったのでたてがみを編み込んで鞄に縛り着けた。解体に思ったより時間がかかったので今日はここで一晩過ごすことにした。火が無く、とても不安だったので拳銃と弾は手放せなかったが、一角獣の死体がまだ温かく、おかげで苦なく眠りに落ちることができた。

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