第7話~おやすみ おっさん~
すみません、体調を崩してました。
今日から連載再開いたします。
「なんにしろ、街に入るのには、身分の証明が必要だから、今から手続するよ?
と言ってもそんなに難しくないし、直ぐに済むからね・・・ じゃ、まずは名前から教えてくれるかな?」
傷つき萎びれている俺に、衛兵さんは容赦なく質問していく。
「後は、君の魂の情報を刻まないといけないから、このカードに血を1滴付けてくれないかな?」
衛兵さんの言われた通りに用意された針で指先を指して、血を垂らすと、カードが一瞬光り文字が浮かび上がった。 正にラノベの世界じゃないか・・・
「これで終了だね・・・ けど、今日はもう遅いから、簡単な所だけど、寝る場所はこちらで用意するよ。
明日は領主様の所に挨拶に行ってもらうからね?」
「・・・お願いします」
衛兵さんに案内されたのは、普段は衛兵さんが交代で休む休憩室だそうで、簡素なベッドと小さな机があるぐらいだった。
「ありがとうございます」
「気にしないでね・・・ けど君って不思議だよね、今までの異世界人ってこんな衛兵に対してそんなに丁寧な言葉遣いする人いなかったよ?
しかも、自分で言うのも変だけど、こんな若い奴に対しても、って聞いてて違和感ハンパないよ?」
「元の世界でいろいろありまして・・・」
あとから入社した後輩がサッサと出世して上司になったりしてたからね。
「ふ~ん、まぁいいけどね、それじゃ、おやすみ~」
そう言って衛兵さんは休憩室を出て行った。
それを確認すると、服を脱ぐのももどかしく、ベッドに倒れこんで、夢も見ないで眠ってしまった。
お読みいただき、有難うございます。