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第4話~歩いたぞ おっさん~

緩い丘をいくつか越えながら、街を目指して歩いていく。


「はぁ~っ、本当にこの方向で合ってるんだろうか・・・」


一人で歩く寂しさと、不安からつい愚痴が出てしまう。

でも、もう何時間も歩いているのに、一向に町は見えないし、誰ともすれ違うこともないし、逆方向だったかなぁ・・・


なんて思いながらも、引き返す勇気も度胸もないので、更に小1時間ほど進んでいくと、遠い先の丘の向こうに城壁らしきものが見えた。


「よかった~。」


やっと人のいる場所まで来ることが出来たみたいだ。

このまま誰とも会わずに夜を迎えたら、野宿なんかの経験もない俺は、恐らく寒さで死んでしまうか、野獣か盗賊あたりに捕まって良くて奴隷に落とされるとか、最悪殺されるとか、兎に角碌な目に会わなかったろうな・・・

目的地が見えてきたので、気持ち早歩きで向かうと、城門がらしきの物が有り、その先には街らしき建物が見え、入り口の所に衛兵らしき若そうな人が立っている。


確かあの爺さんは、言葉について何とかしてくれるとか言っていたけど、そもそも元の世界でも知らない人に話しかけるのなんか絶対無理だったし、ましてや俺が異世界から来たって言っても誰も信じてもらえないだろうし、どうしようか?


冷静になった俺は、近くの茂みに隠れて、作戦会議をすることにした。一人だけど。


異世界から来たことを隠すなら、俺は遠くのド田舎出身で、林檎を売るために町までやって来ましたとかあたりか?

お金は来る途中の森で落としたとか、うーん、大分いろいろ穴はあるが、異世界の事情も全然解からないし、所詮俺の浅知恵じゃぁこれぐらいが関の山か。

でも何も考えていないよりはましだろうし、もうクタクタで、一刻も早く、ベッドに眠りたいし、まぁなるようになるだろう。

持っていたずだ袋に生み出した林檎を詰め込み、覚悟を決めて、入り口に向かう。


「ハイストップ!!見ない顔だけど、この街に何の御用かな?」


衛兵さん、軽いな。

お読みいただき、有難うございます。

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