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作者: 牝牡蠣

***





俺は渦になれ


俺は渦になれ







膣穴は透明な


映写機の鋭さに参ってしまった


フィルムが蠢くホワイトカラーよ


ただ空回りしている







膣穴は窮屈な


ひび割れたポリバケツの血潮だ


メタファーが喰い付いたリサイクルマークよ


輪廻転生のシュミラークルであれ







膣穴は副次な


マイクロの物語の分解を告げる



道路に転がる


精液をたっぷり染み込ませたナプキンよ



俺を渦にしておくれ







ミトコンドリアの狂気と


擬似家族は()せろ



空へ父は駆けて行けと


地へ母は馴染んで行けと


透明な映写機に夢見た



ポリバケツにはウランのたっぷり染み込ませたナプキンがいっぱい


誰にされたと問うても


加害者がリサイクルマークに分解されて

食卓に並んでいたと


リフレインするばかり







マイクロに分解されたすべてが


真っ(さら)な物語の悪意


日常はガラス片の貼り付いたフィルムよ


ただ無気力に空回りするだけ







すべてが生きたポリバケツの幻想か


ホワイトとブラックを分ける境界は


己の人生をいかに

金持ちのシュミラークルにできるか







俺は渦になれ


俺は渦になれ







願望が無意味だ


俺を羅針盤から()けるから


憎しみが無意味だ


俺を進めた先に人などいないから


明日(あした)が無意味だ


本当は今日との確たる違いなど

気づけていないから







俺は渦になれ


俺は渦になれ







ここにいるのは身一つの俺よ


フィルムに刻まれた人影でもない


ポリバケツにこびりつく血糊でもない


ナプキンについた精液でもおりものでもない


穢れなき実存の俺があるのよ


俺は侵されるだけの膣穴じゃあない







俺は渦になれ


俺は渦になれ


俺は渦になれ


俺は渦になれ


俺は渦になれ


俺は渦になれ


俺は渦になれ


そしてすべてを飲み込め


俺の中に入ってきたすべてを切り刻め


すべてを俺の中でミックスして穢してやれ


渦の中はきっと瓦礫で散々だ


酷く惨めだ



だが瓦礫の下にはきっと


いやらしく神々しい


命がある







俺は渦になれ


俺は渦になれ







俺は渦になる

これは延々と書けそう……

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