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#05-01 Why I was called?


熟睡しているうちに、アメリカまで運ばれていた詠は、混雑する空港の中で大きく延びをする。

ナツメは車を取りに行っており、フィリスと二人残されている訳だが、かなり退屈していた。


「結局なんで呼ばれたのかね?」

「さっきデータベース見たけど、なんかフランスとイギリスの虹の魔導書、それとドイツの紫の魔導書が盗まれたらしいよ」

「そういう大事件はオレが引退してから起こしてほしいわ」

「でも、そんな事件があったなら奪還にいけってことになるんじゃないかな?」

「いや、たぶん回されるとしたら残り3冊の虹の魔導書の防衛だと思う」

「そうなの?」

「まあ、アレは5冊揃わないとそれほど危険でもないしな」

「でも、“黒杖”の研究では2巻と3巻があれば大陸に穴を開けれるぐらいはできるはずだって出てたけど」

「とんでもないことを言いだすな」

「でも、今回の主犯はOTOだと思う。私が抜けたせいで他の組織への対抗手段が消えたから」

「まあ、魔導書あるのと無いのとでは制圧力が段違いだからなぁ」

「さすが2冊持ってる人間の言葉は説得力がありますね」

「戻ったか、ナツメ。で、車は?」

「いえ、なぜかヘリで行けと」

「あそこヘリポートあったっけ……?」

「それだけ急ぎってこと?」

「私もまだ何も聞いてませんけどね……」


ナツメの先導でヘリの発着場へと進む。


「そもそもこの空港ヘリポートなんかあったっけ……」

「それはあるんじゃないの?」

「というかフェリシアの危機ってなんだ」

「中世の飢饉かなにかですか?」

「それだとフェリシアが悪女みたいだろ」

「そう違いはないような?」

「フィリスさん死にたいんですか?」

「フィリス死にたいのか?」

「先に言ったの詠じゃないか!」


ヘリコプターに詰め込まれて、目的地まで飛ぶ。

乗り心地はそれほどよくなく、詠は一瞬で酔ったが、時間事態はそれほどかからなかった。


「ニューヨークを空から一望できる機会なんてそうないよ?何青い顔してるの?」

「酔ったんだよ、ほっとけ」


ヘリが着陸してすぐ、屋上の戸が開き中からフェリシアが飛び出してくる。


「詠!」

「え?あ、無事なの?」

「無事?ああ、そういう……すいません。事情は後で説明しますのでとりあえず中に。あと父はすでに〆倒しましたが、追加でお仕置きしておきます」

「そうか。まあ、いいや」


まさか空から来ることになるとは思わなかったが、久々のIMAの本部である。

自動改札機のようなゲートにライセンスをかざすと、フェリシアに続いてエレベーターにのる。


「あれ?10階?うちの部屋って6階じゃなかったっけ?」

「人が増えたので広い部屋に移りました。一先ず中に」


部屋の中には一人の女性がモニターの前に座っている。ヘッドセットをつけているところを見るとフェリシアと同じオペレーターだろう。


「ああ、紹介します。とりあえず臨時で手伝って貰っているネル・クーパーです。詠さえよければこのままオペレーターとしてリーグに加入して貰おうと考えてます」

「ネル・クーパーです。はじめまして、“黒銀”殿」

「ヨミ・榛葉=シャンクリーだ。よろしく」


差し出された手を握る。

その質感は人間の手よりも少し硬かった。


「義手か」

「彼女は半年ほど前に利き腕を失いまして」

「それでオペレーターに転向する為に勉強して、ここに仮配属となっています。まさか、BSリーグに仮配属されるとは思ってませんでしたが」

「戦闘はもう厳しいか?」

「身体強化系でしたもので」


ネルはかなりスレンダーな体型をしているが、体幹がしっかりしているのはその立ち姿でわかる。


「現在、新しい義手を調整しているのでそれができればある程度は闘えるかと」

「そうか。なら大丈夫だな。フェリシア、正式配属進めてくれ。あと、義手をメイジーに頼んでくれ」

「了解です」

「歓迎しよう、“流星”殿。ようこそ、“黒銀連合”へ。先に行っておくが、オペレーターだろうと必要を感じたら戦場に連れていくから訓練は怠るな」

「了解です」

「ナツメ、白の部隊はしばらく彼女にオペレーターを任せる。問題は?」

「ありません。というかすでに2度ほど作戦をしています」

「わかった。それで、だけど」


詠はフェリシアに向き直る。


「オレ、なんで呼ばれたの?」

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