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二章 一話 鬼教官ゴア

転送されると俺は何故か整列させられていた。

恐らくシステムによって自動で整列させられているのだろう。

辺りを見回すと約200名程が20人の横10列で並ばされている。

その志願者を取り囲むように帽子をかぶった10名の教官が立っていた。


そして、最も注意を引くのはその志願者の前方中央に佇む一人の男。

顔はパレスチナに居そうな顔立ちで顎髭を生やし濃緑色のマント。身体は筋骨隆々とはいかないが引き締まっており、体格だけ大きい奴達とは比較にならない修羅場を潜ってきたと思われる殺気を放っている。その漢が開口一番に言った言葉がこれだった。


「貴様達は糞虫だ!」


ビリビリとその場を戦慄が駆け巡る。


「俺はRDW第二支部ソードマン警備隊隊長ゴア!貴様ら軟弱者を今日から叩き直す者だ!」


「そして、俺が貴様ら虫ケラを叩き直す為に今から洗礼を始める!有無は言わせん!」

そう言うとゴアは一例目一番左に立つ志願者の前に立った。


「貴様は何者だ!何故ここへ来た!」


「は、はいわたしわ」


「声が小さい!貴様は能無しか!」


「い、いえ」


「ならもう一度言ってみろ!!」


「私はαサーバー所属アイン・エンリヒです!この世界から帰還するためにここへ来ました!」


「そうか、だが今のお前ではモンスターの餌だ!ここでソードマンとならなければ貴様は家畜にも劣る!死ぬ気でソードマンとなれアイン・エンリヒ!」


「あ、ありがとうございます!」

「次、志願者二番!貴様は何者だ!何故ここへ来た!」


「私はβサーバー所属風雲の騎士、ソードマンになる為にここに来ました!」


「何だそのふざけた名前は!その名前は貴様がつけたのか!」


「わ、わたしがつけまし」


「もう一度母親の中に戻って出直してこい!」


「次!志願者三番!貴様は何者だ!何故ここへ来た!」


「私はδサーバー所属エレナです!母親の所に戻る為にここへ来ました!」


「そうか…それは大層感動する話だな!だがな…貴様の母親はお前の事などもうとっくに忘れている。ここに墓を埋めて行けエレナ!」


「あ、ありがとうございます!」


「次、志願者15番!貴様は何者だ!何故ここへ来た!」


「私は、βサーバー所属シャルドネです!仲間の敵を討つ為に来ました!奴らを皆殺しにします!」


「いい眼だ!修練に励めシャルドネ!」


「ありがとうございます!」

そう言った彼女は銀髪のアップで気品があり美しかった。彼女もまた、あの惨状を観てきたのだろう。目は鋭い。教官はそれを見抜いたのだろう。罵倒しなかった。


「次、志願者二十番!貴様は何者だ!何故ここへ来た!」


「私は、γサーバー所属フラッタです!ソードマンとなってこの世界で遊んで暮らす為にここに来ました」


「ほう、貴様は正直者だなフラッタ」


「はい」


「貴様のような糞虫がソードマンなどになれるか!」


フラッタは罵声を浴びせられるとゴアの鉄拳を食らって。人の背丈程も飛ばされ一回転して落ちた。

「あ゛ああああああぁー」



それを見た皆は固まる。

「次、志願者三十番!貴様は何者だ!何故ここへ来た!」


「…」


「何故喋らない!喋ろ!」


「…」

戦慄が走る。多分誰もが喋れと思っていたに違いない。その男は、何も喋らなかった。風貌は黒髪で170センチ後半、その顔は眉目秀麗で三白眼。その眼は何かを見ていた。


「貴様ぁ!」


「すみません、私はサイファーといいます。奴らをどういう順番で解体するかイメージしていて聞いていませんでした」

いきなり喋ったかと思うと男はそう口にした。教官はキョトンとしている。

だか、その目の前にいるそいつのその目は明らかに殺気を携えている。


「そうか!なら貴様には次の素振りでもう一本剣をプレゼントしてやる!ありがたく思え」


「はい」




「次、志願者七十番!貴様は何者だ!何故ここへ来た!」


教官の洗礼が俺に回って来た。

「私は、αサーバー所属ラグナシアです!私は私を変える為にここへ来ました!」


「何を変えるんだ!貴様!」


「力の無い私を変える為です!」


「なら、鍛えて鍛えて鍛え抜いて死ねラグナシア!」


「はい!」




「次、七十五番志願者!貴様は何者だ!何故ここに来た!」


「私は、アリサ・クルーエルです!皆と協力しこの世界を攻略する為にここに来ました!」


「聞こえん」


「は、はあ」


「名前が聞こえんと言っている!」

そう言うと教官はアリサと言う女志願者の頭を掴み持ち上げた


「名前を言え!」


「アリサ・クルーエルです!」


「聞こえんぞ!もう一度!」


「アリサ・クルーエルです!!」


「全く聞こえん!もう一度だ!」


「アリサ・クルーエルです!!!」


「腹から声を出せ!貴様ぁ!!」


「アリサ・クルーエルです!!!!!!」


「貴様の本気はそんなものかぁ!!!」


「アリサ・クルーエルです!!!!!!!!!!」



「よし、良くやった」

そういうと教官は離してやった。


アリサと呼ばれる女志願者は安堵の表情を浮かべた。


「よし、次が最後だ!」

「志願者200番!」


「はい!」


「俺の名を言ってみろ!」


「ゴア教官であります!」


「もう一度!」


「ゴア教官であります!!」


「もう一度!!」


「ゴア教官であります!!!」



「まだまだ!」


「ゴア教官であります!!!」


「そうだ!俺は貴様らをこれから鍛えてやるゴア教官だ!!!!皆剣を構えろ!!!!」

皆一斉に剣を構える。


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