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一章 四話 少女の決意

周りに羽が広がりレベルアップの知らせを次々と告げる。モンスターを切り結んでいくと早くも8レベル近くなっていた。

アイテム欄にもバリエーションに飛んだアイテムがずらりと並ぶ

一番高そうなのは宝石関係だろうか?売ればかなり値がつきそうである。


「これなら、今日中に10レベルに届きそうだ」


次は、グリズリーである。2メートルはあろう巨体から繰り出される一撃。剣で受け止める。ギリギリと爪がかかる。腕を弾くと大振りの一撃がきた。恐らくアーマーブレイクである攻撃。

後ろに飛び跳ねやり過ごす。

横へ立体的に移動しウィンドウから投げナイフを手にする。

木の影に隠れグリズリーの目に目掛けて投げつける。するとグリズリーの目に突き刺さった。

「クボアアアア!」

痛みに耐えかねて叫ぶグリズリー



その隙をついて死角から駆け出す。

グリズリーが気づいた時にはその剣先が腹部を切り裂きそして喉へと貫かれていた。

光子となって消え去る。

またもや、レベルアップの知らせが告げられる。グリズリーは経験値が高かったのだろうか?レベルが一気に跳ね上がった。この時点で俺とミアのレベルは11となる。

そう、晴れて転職の条件を満たしたのだ!









ドシンッ!







今までに聞いたことがないような巨大な地響きがした。

鳥が急いで飛び立っている。


ドシンッ




ドシンッ

振り返ると敵を倒し終わった俺は壮絶なものを肉眼で捉えてしまった。


体長二十メートルはあるだろうか?人型の様で両腕は無い。余りにも巨大すぎた。

口には人だろうか?4、5人を加えている!

ぶらんぶらんと垂れ下がる人

禍々しい巨大なそれは俺を一瞥すると口に加えていた人間を頬張った。そして飲み込んでいく。喉がうねって胃へと押し込んでいく。美味そうにゴクリと音を立てて。顔を見ると恍惚の表情であった。


禍々しい姿─

背筋に悪寒が走る。

恐らく人間としての本能がそう感じさせた。戦いたくないと。


だが、モンスターは腹を満たしたのだろうか踵を返し運良く俺達とは逆方向へと向かっていった。





ミアは震えている。耳を塞いでいるようだった。すぐさま、俺は駆け寄った。


「大丈夫か?ミア」



「大丈夫です、少し怖くて…」

無理もない。あんなものを見たら少女なら泣き出してしまうだろう。



「なあ、ミア。俺はいつかあのモンスターと戦うよ」


「死んでしまいますよ!ラグナシアさん!」


「これからあんな奴らと戦わなくてはどの道生きていけない、ここで逃げてはいけないんだミア。そうすれば待っているのは死だ」



「……」



「…私も、私も闘います! 非力でもなんでも! 何か! 何かありませんか!」



「なら、マジシャンを目指してはどうでしょう?先程、転職条件は満たしたようですし」

ヴァルキュリアがそう言った。




「私…なります。なって少しでもラグナシアさん達の為になるために!」


それは、少女の頑な決意だった─







ミアのマジシャン、そして俺のソードマンになるという目標を実現するために城下のNPCの元へといくことにする俺達─


途中、先程のアイテムを売り飛ばし。ミアに装備も見繕う。ヴァルキュリアは着せ変え人形をみるかのごとくはしゃいで困ったが、城下へは街の先を抜ければ簡単に行けた。






そこには、転職を目指す人だかりが出来ている。転職をすることであの化け者達に対抗する力を欲する者達。彼らの何人があのような魔物に喰われる姿を見て決意したのか。その眼には復讐の炎が雇っていると思われる者が多数いた。


「転職を希望される方はその部門のNPCに声をかけて下さいー!尚、十二期生の訓練期間は3日間。用意ができ次第転送されますー!」

男性のNPCと思われるキャラが声を発している。

「ミア、準備が出来たら行こう!」


「はい」

その小さい身体からは決意の程が伺える。少し緊張で強張っているのか?


「リラックス! リラックス!」

ヴァルキュリアは、そう言いながらミアの胸をわしわししている。


「はうう〜」


そして、俺は訓練の為に俺のアイテム設定とミアのアイテム設定を手伝うことに。


「出来た、ミアこれで大丈夫」


「ありがとうございます」




「じゃあ、準備はいい?」


「はい」


俺とミアは別れ。それぞれの担当するNPCの元へ

「ソードマン第十二期生志望の方ですね?準備は大丈夫でしょうか?」

そう尋ねるNPC。俺の後ろにはズラリと志望者が並んでいた。


「ああ」


「では、カウント10経過後に訓練所へ転送されます!御武運を!」


カウントが経過していく途中ミアを見つめる俺。

「頑張ろうなミア」

そう、言い放った瞬間に眩い光に包まれて転送されていく。見つめ続ける先にはあどけないミアの髪が揺れていた。



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