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一章 二話 獣を狩る

辺りを見回す獣。

獣は、その眼で俺を補足すると怒り狂う様に咆哮した。

背筋に緊張が走る─


「来ますよ、回避して剣で攻撃して下さい!」


咆哮が終わると獣はその獰猛な牙で頸動脈を狙って来た。

明らかに殺気を帯び殺す気で来ている。


しかし、俺は間一髪の所で回避した。

この反射は幼少からやってきてた剣道の賜物だろう。汗水垂らして練習した成果だった。

間髪入れず振り返り様に一撃をお見舞いする。


ギャウと獣が唸り、斬撃による反動で吹っ飛んだ。しかし、身を翻しすぐさまその場で起き上がる。腹を見せれば死ぬことを理解している動物特有の反応だった。

ボタボタと口から血を流し明らかにダメージは深刻なものである。


「ガルルルル!」


「いい反応ですね。モンスターの特性を理解し、弱点を突くと戦闘を有利に進めますよ。このモンスターの場合炎属性が有効です。ウィンドウから支給用ファイアボルトを使ってみて下さい。尚、音声での発動も可能です」


心臓の鼓動が早くなる。明らかに俺は高揚していた。


すぐさま、ウィンドウを開きアイテム欄からファイアボルトを探す。しかし、手間取ってしまう。

獣は隙を着いて飛び上がってきた。


「ファイアボルト!」

瞬時に手の平を獣に向け俺は声を発した。その瞬間腕に炎が纏わりついかと思うと喰らうかのごとく獣を包み込む。


炎に包まれ断末魔をあげる獣。

苦しみながらしばらく燃え続けHPが底をついたのか光子となって飛散した。








congratulation!─





「おめでとうございます!報酬としてブロンド首飾り、回復用赤ポーション×30、ファイアボルト×5、アイスウォール×5、通貨10000ギルを進呈します」



─まだ倒した余韻が残っているのか胸が高鳴ってる。久しぶりにアドレナリンが分泌したのか清々しい気分だった。



「きゃあーご主人様カッコイい!惚れ直しました!抱いて下さい!」

ヴァルキュリアが目を輝かせて手を振っている。なんだか少し恥ずかしかった。



「では、次に参りますか。次は名前ですね。お好きな名前を設定してください」


入力画面に移る。

少し考えて。神々の運命の意味を持つラグナロクから取って

俺はラグナシアと入力した。


「ラグナシアですね。良い名前です。」


「では、ラグナシア。最後に物語の骨子を説明します。この世界にはいくつかのサーバーが存在し、α、β、γ、δという名前がつけられたサーバーが用意されています。因みにここはαサーバーです。サーバー毎に勢力が別れていますが基本的に協力することはできますしサーバー毎の移動も可能です。都市によって販売している武器やイベントも変わりますのでチェックしてみて下さい。

そして、根幹となるのが中央の塔を攻略することです。門番と呼ばれるモンスターを倒すということまでしか現在分かっていません。全プレイヤーの進行条件にリンクしてクリア条件が明確になってくるようです。」



「以上ですがご理解頂けましたでしょうか?」


「ああ」

大体のことは理解できた。あとの詳しいことは、自分で情報収集すればいいし。百聞は一見にしかずだと思う。それにどのゲームでも基本は似ているものだ。



「最後に私からアドバイスです。最初は職業の転職を目指して下さい。転職条件はレベル10です。城のNPCに話すと厳しい訓練が3日間程の合宿形式で行われますので頑張って下さい」


「分かった」


「では、御武運を─」


そういうと妖精はホログラムの電源が落ちたように消えていった。







「さあ、行きましょうご主人様!」

そういうと、ヴァルキュリアは腕組みしてきた。その、胸がポヨンと当たるのは言うまでもない。


「ああ、最初は街の外に出てレベル上げでもするか」

まずは、先決するのはこれだと思う。生き残る為にも安全マージンやアイテム確保は最優先事項だ。


「えへへ、こうして寄り添って歩くとなんかデートみたいですね?」


「恥ずかしいこと言うな」


ヴァルキュリアが舌を出しておどけたポーズを取る。その笑顔を見るとデスゲームをしている事さえ忘れられるような気がした。



街の風景を見るとバザーや店などが立ち並ぶ。大きな賑わいを見せるそれは商業の中心部という趣だった。それに、プレイヤーと見受けられる者も多数いる。

まだまだ知らないことは沢山あるしあとで立ち寄る事になりそうだ。



街の中心部から2分程歩き街路樹を抜け門をくぐる。そこには所々に木々が生い茂るフィールドがあった。

そして、周りを見渡すと所々にモンスターと思われる影が見える。

さて、ここらでモンスターを倒すか。



「待ってください、ご主人様!あそこに、何か倒れているプレイヤーがいます!」

ヴァルキュリアは唇を尖らせ遠くを見渡すポーズをする。


しかし、俺には全く見えなかった。


「もしかしてヴァルキュリアって物凄く目が良いのか?」


「はい、500メートル程なら文字も見えますよ!」


「これは使えるね」


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