最弱の異能?その二
※作者はたびたびスランプに陥ります、ご注意ください※
※主人公がころころ変わります、ご注意ください※
あれ?前話で「最弱の異能?」について書くはずが父母の話に・・・
突然だがこの世界の話をしよう。
この世界、なんと魔法や超能力が使えるファンタジー世界なのだ!
どうだ、驚いただろう。
それらはまとめて『異能』と呼ばれている。
俺が観察した普通の子供の教育課程を見ていくとこうなる。
【言語能力が身についてくる】
〇歳~一歳
【各家庭で健やかに育てられる】
一歳~六歳
【小学校のようなところで勉強する】
六歳~十歳
【各異能を伸ばすための訓練をする】
十歳~十二歳
【就職先を探し、職場体験をする】
十二歳~十五歳
【成人し、異能などを使い給料を貰う】
十五歳~
俺は現在小学校に通っている。
正確には今日までなのだが、いまはまだ学生という身分だろう。
十歳になると王城で診断を受けて自身の『異能』を知り、能力を伸ばしてそれに合った就職をするというものだ。
実はひそかに楽しみにしており、そして恐れていた。
「とうさん、かあさん。行ってくるよ」
ドブギ(猪風のブタ)の冷シャブとサラダを食べた後、学校へ行く準備を終えてとうさんとかあさんに出かける旨を伝える。
「ああ、いってらっしゃい。楽しみにしてるよ」
「おーう、いってこい。どんな『異能』か楽しみにしてるぜ」
何度も言うがとうさんが前者、母さんが後者である。
木造の小さな小屋を出て歩いていくと村のど真ん中にある小学校に着く。学年ごとに分けられた教室に向かう。
「おはよ」
俺は挨拶もそこそこに自分の席へ向かうと教室を眺める。
皆一様にはしゃいでいて、少し楽しい気分になってくるのが不思議だ。
「おはようごさいます、皆さん」
例の黒板消しトラップに今日も嵌った先生(独身女性)は、黒板消しを頭に載せたまま無表情で挨拶をする。
「これから王城に向かいますが、欠席者は」
教室を見回し、クラス長に確認を取る。
「いないようですね。では向かいますので一列に並んで校舎を出ましょう」
俺達は避難訓練のように統率された動きで校舎を出る。
皆、思い思いに頭を下げたり涙を目じりにためていたり、果ては両手を組み拝んでいるやつまで居る。
「また帰ってくるのだから後にしなさい」
先生は軽く注意すると初めて微笑んで先導する。
もちろん男子生徒数名は惚けたように数秒間その場を動けなかった。
三時間ほどかけて歩いて行くと、王都と呼ばれる街が見えてきた。
移動中は先生が『青い炎』で魔物を撃退してくれた。強すぎる。
王都に着いた学生一行は王城の庭に座っていた。
他の学校の生徒もいるため、数百人はいるはずだ。庭が埋まらないことに恐怖を感じる・・・。
「では!これより『異能』を発表する!」
騎士団、それも高い身分だろう人物が壇上で叫んでいる。
「呼ばれた者は前へ出て来なさい。異能名を発表し、発表された者は右手のローブの男達から使い方を学ぶように!」
学生は一斉にローブの男達を見る。何年もやっているだろう男は動じず、今年からだろう男は微妙に笑顔が引き攣っている。
「一番!アリカ・ウィールズ」
「はい!」
呼ばれた女の子は壇上に上がり異能の発表を受ける。
「汝、『戦乙女ヴァルキリー』として困難に立ち向かうべし!」
「!?はい!」
予想外だったのか、少し戸惑ったようにも見えたが、元気良く返事をすると右手に向かう。
それ、ジョブ名じゃ・・・とはさすがに言えない俺は黙っていた。
「十五番!オガ・オールド」
「はい」
呼ばれた男の子はよく知る名前で、この世界に巻き込んだ張本人だった。つまり異常研会長である。
「汝、『真理』として真実の究明をするべし!」
「はい」
まったく感情の篭ってない目で生徒を見渡すと、右手に去っていった。
去り際にニヤリとした笑いを浮かべていたのが気になる。
「八十四番!ミコト・アールレイ」
「はい」
前へ出て壇上に上がる。
「汝、『運』として、頑張れ!」
「え!?何もなし?」
子供達が笑い声を上げる。ちくしょう。
「これは私にもわからん」
「はぁ」
俺は逃げるように壇上からそそくさと降りるとローブの男達の方へ歩いていった。
若干無理やりです
設定混ぜると読みにくくなりますね、多分。
ということで『運』でした。次回能力公開します。
-近況-
前話と同日です。
3日更新で安定でしょうか。ではまた。