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婚約破棄悪役令嬢と紅茶追放王子の異世界ロマンス〜アカウント停止されたと思ったら推しとアフタヌーンティーしてた〜  作者: ナロージュ•ピクセル


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6/33

〜■D6□D婚約破棄悪役令嬢でした!!〜

 私は、可愛らしいオドオドメイド《ドリル・メイドール》と微笑み合い。目の前で優雅に紅茶を飲むビスクドールの様な紅茶追放王子をうっとりと見詰めて、紅茶を飲むーー。

 ーーーー何て、素敵なアフタヌーンティーなのだろう。


 現世でアカウントを停止され。この世からも追放され。

 あろうことか自作小説の世界の悪役令嬢に転生し。

 そして、今。ーー推しとアフタヌーンティーしてる。


 此れは、まさにサブタイトルコール。〜アカウント停止されたと思ったら推しとアフタヌーンティーしてた〜だわ♡


 推しがいればどんな世界だって、生きてゆける。

 私は、この幸せを噛み締めこの世界で生きてゆく。


 〜推しとアフタヌーンティーをしながら〜


 

婚約破棄悪役令嬢と紅茶追放王子の異世界ロマンス

〜アカウント停止されたと思ったら推しとアフタヌーンティーしてた〜ー♡これにてお開き(おわり)♡ー


 ーーーーかと思ったら。そうは問屋が卸さないって奴よ♡

 だって、この自作小説って異世界ロマンスなのよ♡

 もう一度言うわ♡ーーロマンス(・・・・)なのよ♡


 ……てことは、アレよね?

 ……えっ!?私、これから紅茶追放王子と♡

 〜〜アーーンなことや♡〜〜ソーーンな事を!?

 ーーぇえ〜〜♡ピーーーが♡ピーーーで♡

 ーーピーーーな感じですかぁ♡ぐへへ(^q^)♡


 ……おっと。失礼。取り乱してしまいましたわ。

 兎に角!!まだ私は王子とロマンスしてないのよっ!!

 そんなん終われるワケがないでしょう!!!!


 ーー取り敢えず。私は優雅に紅茶を飲みながら。

 ーー目の前で、優雅に紅茶を飲んでいる。

 ーー紅茶追放王子とのこれからのロマンスを考える。


 ……色々とー紅茶の神様(ティーゴッド)ーやら紅茶の伝道者(ティーエヴァンジェル)?やら…謎に会得した…能力(スキル)書き進める者(ライティングワーカー)ーで、書き換えてしまったワケだけど。え〜〜と。大まかな物語は思い出したんだけど。細かいところがなぁ。思い出せん!!


 ……どうやって紅茶追放王子と出会ったんだったかしら?

 ……王子との出会いって、一番重要なとこでしょうに!!

 ……何で、覚えてないのよ!!私のおバカ!!


 …もう…かくなる上は、アレね!!

 先程なんやかんやで、会得した能力(スキル)書き進める者(ライティングワーカー)ーで、書けば良いんでない?


 〜〜アーーンなことや♡〜〜ソーーンな事やぁ♡

 ーーピーーーが♡ピーーーで♡

 ーーピーーーな感じとかぁ♡ぐへへ(^q^)♡


 ……おっと。失礼。取り乱してしまいましたわ。

 ……冗談は、さておき。細かいことは気にしない。

 ……私は取り敢えずワカチコの呪文を唱えた。


 今は、この幸せなアフタヌーンティーを楽しまないと♡


 其れにしても♡紅茶追放王子♡

 ードルジェリン王国の第二王子ー

 ー《デージョ・ヴ・ドルジェリン》ー


 ーー煌めく漆黒のグラボブレイヤーの髪。

 ーー長めの前髪から覗く。

 ーー美しい紅茶色の瞳。


 ビスクドールの様な等身に線の細く長い手足。

 小さな顔に小さな唇。切れ長の紅茶色の瞳。

 其れを縁取る烏の濡羽色の艷やかに長い睫毛。

 白磁器のティーカップを優雅に持つ繊細な指。


 ……ヤベェ♡永久に(ずっと)見てられる♡


 「♡(^q^)(ダバー)♡」ヨダレを垂らしながら紅茶追放王子を夢中で見詰める私のヨダレをオドオドメイド《ドリル・メイドール》がいそいそとハンカチーフで拭っている。


 ……何だったか。現世にいた頃。豆みたいな柴犬が言ってたな。人間は一日に一リットルものヨダレを出すんだとか。

 体感的には二リットルくらい出てる気がする♡(^q^)♡

 いそいそと私のヨダレをハンカチーフで拭くメイドールに「♡(^q^)(ゴメンよ)♡」とヨダレを垂らしながら謝る。


 紅茶を優雅に一杯飲み終えた紅茶追放王子は、静かにティーカップをソーサーに置き。

 「ー美味であった。礼を言うー」と。王子は春の小川のせせらぎの様に囁いて、音も立てずにガーデンチェアーから立ち上がり。辺りを伺い。「ー世話になったー」そう丁寧に一礼して颯爽と中庭から立ち去っていったのだったーーーー。


 ……何だか全てが夢だったかのような。

 ……そんな気さえしてくる。王子が颯爽に去って行った。方向を夢見心地で見詰めていると。


 「ーとっ♡とても素敵な御方でしたね♡ーなっ、ナロージュ様が、婚約なされる王子様もーあの御方の様に素敵な御方だと良いですねー」ーーと。オドオドメイド《ドリル・メイドール》が言う。


 「そうね♡私が婚約する王子様もあの御方みたいなーーん!?えっ!?今、アナタ婚約って言った!?私が!?」

 驚く私に私以上にオドオドと驚くオドオドメイド《ドリル・メイドール》ちゃんが、オドオドと言う。


 「はっ、はい!一月ほど前に婚約が決まりましてっ今夜、王子様がピクセル家の御屋敷にお越しになるのですっ!」


 「こっ!?今夜ァァァ!?!?」

 私は思わずお洒落なガーデンチェアーから派手な音を立てて立ち上がる。ガーデンテーブルの上に置いたティーカップの中の紅茶が激しく揺れている。


 「あっ、えっと!ナロージュ様は全てを承知で婚約のお話をお受けになったのでは、なかったのですか!?」

 私の驚き様に驚いて、オドオドメイド《ドリル・メイドール》が困惑した様に言う。


 「あっ、そっ、そそそ、そうだったわね!!」

 私は、オドオドメイド《ドリル・メイドール》の様にオドオドと取り敢えず応えて、またしてもあまり良くない頭をドリルの様に回転させて考える。え〜〜と。ちょっと待って、今の転生後の私は婚約の事なんて身に覚えがない。……と言う事は転生前の本来の悪役令嬢ナロージュ・ピクセルの時に紅茶追放王子との婚約が決まったと言う事よね。

 

 あ〜〜。転生前の記憶が曖昧過ぎるのよねぇ。

 思い出せぇ〜〜。私ぃ〜〜。必死に転生前の記憶。即ち。この自作小説の本来の物語を思い出そうと頑張った結果。


 私はーーとある事実を思い出した。

 転生前ーー何気に書いた。とある設定を。


 ーーーーアレ?アレレ?私、確か。

 この自作小説を書くにあたってのプロットに……。

 確かに書いたのだ。《紅茶》《追放》《婚約破棄(・・・・)》と。


 ー《紅茶》《追放》《婚約破棄(・・・・)》ー

 

 ーー《紅茶》《追放》ーー


 ーーーー《婚約破棄(・・・・)》ーーーー


 「こっ、コンニャクハキ!!」混乱して私は噛んだ。


 「こっ、コンニャク?を破棄なさるのですかっ!?」

 噛んだ私の言葉を忠実に拾ってオドオドメイド《ドリル・メイドール》ちゃんが疑問符を沢山可愛らしいドリルツインテールの頭に乗っけて不思議そうに私に訊ねる。


 「ーなっ、なんでもないわー」ヘナヘナとガーデンチェアーに力なく座りなおして私が応えれば「ふふっ!変なナロージュ様!」とメイドールは可愛らしく笑って「たんと♡おめかし致しましょう♡王子様がいらっしゃるのですから♡」と夢見る乙女の如くうっとり言うのであった。


 「…ハッ、ハハッ…そうね〜」私は力なく笑った。幾らおめかししたところで婚約破棄悪役令嬢の私は、紅茶追放王子に婚約破棄されるのでしょうね。だって私がそう書いたんですもの……。



     ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆



 ーーーーそして、その日の夜。婚約は夕食(ディナー)と共に。とでも言うのだろうか。豪奢な広間に沢山の使用人が豪華な夕食(ディナー)を華やかな花々とキャンドルが飾られたバンケットテーブルへとお洒落に並べてゆくーーーー。


 「…あぁ…なんって…豪華なのっ…」私は何処か申し訳無く思い独り()ちる。独り言だった筈なのに「はい♡」と私をすっかり美しい婚約破棄悪役令嬢へとドレスアップしたオドオドメイド《ドリル・メイドール》が、うっとりと応える。

 「みっ、皆様、今夜の婚約の為に全てを注いで来ましたからっ!王子様とナロージュ様の婚約が正式にお決まりになればっ、此れで、ピクセル家も安泰ですからねっ!」……と。


 「…そっ…そうねぇ。正式に婚約が決まれば・・・・・・・・・・・・ねぇ……」

 豪華な夕食(ディナー)を見て私は思う……。

 せめて、せめて、婚約破棄は夕食(ディナー)の後にして欲しいと。


 ……あぁ。私、今夜、推しに。婚約破棄されるのかぁ。

 ……遠い目で何だか現実味の無い自作小説の世界で思う。

 ……自作小説の婚約破棄悪役令嬢に転生し自萌の推しキャラの王子様に婚約破棄されるなんて何の羞恥プレイなのよ?

 何これ?冷徹な地獄の補佐官様が考えた新しい地獄の刑罰なのかしら!?


 オドオドメイド《ドリル・メイドール》が恭しく豪華な椅子を引き私を「どうぞ♡ナロージュ様♡」とエスコートする。私は、刑の執行を待つ死刑囚の様な心持ちで「…有難う…メイドール……」とメイドールの引いてくれた椅子へと力無く座り。

 ……刑が執行されるその時を待った。

 ーー即ちー婚約破棄ーされる。……その時をである。


 ……大丈夫だろうか?私は推しに婚約破棄=振られる。

 ……全否定も良いところだが、生きていけるだろうか?


 ……ダメージが、計り知れない……。

 ……そんな事を思っていたら……その時は、来た。



 ーー『ー王子!!落ち着いて下さい!!ー』ーー

 ーー『ーうるさい!!黙れっ!!ー』ーー

 ーー『ーお考え直しを!!ー』ーー

 ーー『ー良く考えた結果だっ!!』ーー


 ……豪奢な広間の外から何やら不穏な声が聞こえてくる。

 ……ぁあ。この声は、きっと王子ね。あのアフタヌーンティーでの穏やかな春の小川のせせらぎの様な声とは、打って変わって、懸河(けんが)の様に烈しくお声を荒げていらっしゃる。荒ぶる声さえも麗しいのだから。推しって恐ろしい。


 「どっ、どうされたのでしょう?」

 オドオドメイド《ドリル・メイドール》が、オドオドと広間の外から聞こえてくる王子の荒ぶる声に怯えている。


 「…どっ、どうされたのかしらねぇ…」私は《ドリル・メイドール》とは、違う理由でオドオドと応えた。


 ……あぁ。あのアフタヌーンティーのところで、やはり物語を終焉(おわり)にするべきだったかも知れないわね。欲をかいて王子とのロマンスを望んだ結果がコレ(婚約破棄)ょ……。

 ……物語を書き進めたばかりに……

 ……私は、これから……

 ……推しの王子様に婚約破棄される……。



 ーーバァーーーーンッッッ!!!!

 烈しい音を立てて、広間の豪奢な扉が開かれた!!

 結構大きな扉だと言うのに王子様凄ッΣ(゜Д゜)!!


 ーーと。驚いたのも束の間でしたーー。


 王子様は広間にいる驚き王子を凝視する人々に向け。

 ……そして、何より私に向けて言い放ったーー!!


 「ーこの婚約を破棄させて貰うっ!!!!ー」

 


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