〜□D50■D〜何故そんな事を言う?結果的にお前は光りを失ったではないか?〜
「結果的に紅茶は広まったが、何だか複雑な気分だな」
俺こと紅茶追放王子、改め。紅茶婚約王子様ードルジェリン王国の第二王子ー《デージョ・ヴ・ドルジェリン》は『紅茶が緑茶に事件』の事件現場となった紅茶教会の前に広がる中庭の中央に据えられたお洒落なガーデンテーブルのチェアーに座り向かい側の…灰汁抜き蓮根(悪役令嬢)…いや、ナロージュ・ピクセル辺境伯爵令嬢…へと黙読していたドルジェリン王国の第一王子である兄上の手紙を見せて言う。
「ふふ♡デージョ王子様が、私のところへ来てくださらなかったら私は、ティーフェスを開催する事もなく今回の『紅茶が緑茶に事件』も起きる事もなく『DEATH・TEA•TIME』(♡死ぬ迄お茶会♡)の刑❣❣を執行する事もなく王都に紅茶が流行る事もなくアフタヌーンティーの文化が根付く事もなかったと思います♡」
…灰汁抜き蓮根(悪役令嬢)…いや、ナロージュ・ピクセル辺境伯爵令嬢…は、今回の『紅茶が緑茶に事件』により光りを失った右眼に今回の『紅茶が緑茶に事件』により会得した新たな謎の能力!!紅茶葉袋!!で何だが紅茶葉袋をレースで包んだ様な結果的になかなかオサレな感じの紅茶葉袋眼帯を装着し(説明しよう!!紅茶葉袋眼帯!!とは紅茶葉袋の形をした眼帯の事である!!説明以上!!)優雅に紅茶を飲みながら囁くのであった。
「なので私は心より感謝しているのです♡デージョ王子様♡貴方様が私のもとへお越しくださった事にとても感謝しております♡私もとへお越しくださり♡そして共に紅茶を愛してくださり♡ありがとうございます♡」ーーと。
……何故?……何故そんな事を言う?
……お前は、俺の面倒事に巻き込まれたんだぞ?
……その結果……右眼の光りを失ったではないか。
……なのに……何故?……俺に感謝している!?
「何故そんな事を言う?結果的にお前は光りを失ったではないか?」俺に感謝を述べる…灰汁抜き蓮根(悪役令嬢)…いや、ナロージュ・ピクセル辺境伯爵令嬢…に訊ねる。
「…確かに…右眼の光りを失った事は残念ですが、私には、まだ左眼が残っておりますーーそれに」
…灰汁抜き蓮根(悪役令嬢)…いや、ナロージュ・ピクセル辺境伯爵令嬢…は、言葉を唐突に区切り残された左眼で俺を見詰め。そして静かに言った。
「失くして初めてー見えるものもございますー」と。
…灰汁抜き蓮根(悪役令嬢)…いや、ナロージュ・ピクセル辺境伯爵令嬢…は、その貴婦人の指の様な白く華奢な指で、優しく俺の頬に触れる。
……そこで俺は、己が泣いていることに初めて気付いた。
俺の頬に伝う涙をその貴婦人の指の様な白く華奢な指で優しく掬い…灰汁抜き蓮根(悪役令嬢)…いや、ナロージュ・ピクセル辺境伯爵令嬢…は言ったんだ。
「デージョ王子様ー私の為に泣いてくださりありがとうございますー」……と。
「貴方様が私の為に流してくださる涙ーその優しく尊い綺麗な想いを拝見させていただいて私は、とても嬉しく思いますー」
……そう言ったんだ。




