〜□D43■Dーー絶対……大丈夫(でぇーじょーぶ)だょ!!ーはいー私はデージョ王子様を信じます!!〜
「ーーおい!!其処の悪役令嬢!!」
がなる恰幅の良い貴族のおじ様の御姿。どうやら紅茶教会でお茶をしていらっしゃっていた様で御座います。
「ーはいーいかがなされましたでしょうか!?」
……少し悪い予感はしておりました。
……と申しますのも。
……実は私この自作小説の世界に転生する前はコールセンターでクレーム対応に追われる日々を過ごしておりました。
……なのでビンビンと此れはクレーム案件よ!!と私のクレーム警戒アラートが鳴りまくりでありました。
「ーいかがなされましたでしょうか!?ーだと!?よくもそんな事が言えたものだな!!此れは何だ!?儂は紅茶とやらを注文したのだが!?この緑色の液体は何だと聞いている!!」
……恰幅の良い貴族のおじ様は手にしたティーカップの中を私に見せてがなられます……。
ティーカップの中を覗いて見れば確かに紅茶が淹れられている筈のティーカップの中には、鮮やかな緑色の液体が淹れられておりました……この爽やかや香りは…緑茶…で御座います。
「ー大変申し訳御座いませんー此方の紅茶は発酵が足りなかったのか緑茶となっております。直ぐに新しく紅茶を淹れなおさせて頂きますのでーーーー」其処まで私が誠心誠意を込めて説明した時で御座いました。
ーーバシャンッッッッッ!!!!
……右眼に浴びせかけられた熱い緑茶ーー!!!!
ーーキャァアアア!!!!
私の傍に控えていたオドオドメイドちゃん《ドリル・メイドール》ちゃんがムンクの様な叫び声を上げました!!!!
……右眼が灼ける様に痛い……右眼を押さえて私は蹲る。
灼け爛れた右眼で最後に見たのは、「すっ、直ぐにデージョ王子様をッ、お呼びして参りますぅ!!」そう言って、回転するドリルの様に駆けて行ったオドオドメイドちゃん《ドリル・メイドール》ちゃんの後ろ姿でした……。
ーーこうして後にーー紅茶が緑茶に事件!!!!
……と呼ばれる事になる真夏のティーフェスでの事件が幕を開けたので御座います。
■D□D ■D□D ■D□D ■D□D
ーーそして程なくして颯爽と事件現場の紅茶教会へと馳せ参じて参られました我が紅茶追放王子様、改めまして紅茶婚約王子様ことードルジェリン王国の第二王子ー《デージョ・ヴ・ドルジェリン》王子様。そしてお付きの執事長モンストロ・ブランさんの御姿。回転するドリルの様に駆けて行ったオドオドメイドちゃん《ドリル・メイドール》ちゃんが呼んで来てくれたのね。…ありがとう…私は心の中で可愛いオドオドメイドちゃん《ドリル・メイドール》ちゃんに御礼を言いました。
右眼を押さえて蹲る私にデージョ王子様は血相を変えて駆け寄られ「ーーどうした!?大丈夫かッ!?何があった!?灰汁抜き蓮根(悪役令嬢)!?」と私を抱き寄せてお訊ねになられました。とても心配そうな御表情をされておられます。
「ーー儂は紅茶を出せと言ったんだ!!なんだ!?この緑色の液体は!?よもや妙な物を飲ませて儂を暗殺しようと謀っては無いだろうな!?最近評判が良いからと言って、所詮は悪役令嬢の考えそうな事だ!!」
……恰幅の良い貴族のおじ様が…とても不機嫌な御様子で私に向かい怒鳴られました。
「すみません…紅茶の発酵が足りなかったみたいで、その緑色のお茶は緑茶と言いまして…れっきとした飲み物で御座います…決して、暗殺等企ててはおりません…信じて下さいませ」
…私は本当に暗殺など恐ろしい事は企ててなどいないのです…だって、今日は楽しいティーフェスで御座いましょう!!せっかくの紅茶の麗しき場を血で汚すなど私、絶対に致しませんことよ!!どうか信じて欲しい!!私は遺された青い左眼で真っ直ぐに恰幅の良い貴族のおじ様を見詰めて訴えます。
「落ちぶれた悪役令嬢の言う事など誰が信じるか!!…そもそも…紅茶と言うのも腐った葉の煮汁だと聞くが!?悪役令嬢と王都で御噂は予予…紅茶追放王子様…二人で手を組み何だ?この田舎町の善良な領民達に腐った葉の煮汁を飲ませてどうする気だ!?……殺すつもりか?」
あらぬことか恰幅の良い貴族のおじ様は私だけではなくデージョ王子様にまで疑いの目を向けられました。領民達が俄にザワザワと騒ぎ初めております。ぁあ。領民達に紅茶を楽しんで貰いたいと思い開催したティーフェスで領民達に怖い思いをさせてしまっている。これでは領民達は紅茶を嫌いになってしまう。不安気な私に不意にデージョ王子様が仰いました。
「…灰汁抜き蓮根(悪役令嬢)…すまない。俺はオマエを面倒事に巻き込んでしまったみたいだ……」
「…デージョ王子様…」不安の拭えない私にデージョ王子様は仰るので御座います。
「…大丈夫だ…灰汁抜き蓮根(悪役令嬢)…いや、ナロージュ・ピクセル辺境伯爵令嬢…俺は腐っても王子様だ…そして、俺の名前の由来はー大抵なんでも大丈夫だ!!ーと言う想いを込めて母さん(マーガリン王妃)が名付けてくれた名前なのだからな!!大抵の事は大丈夫だ!!因みに兄さん(ダージョ王子)の名前も大丈夫のダージョだ!!そしてこれまた因みに妹(グッジョ姫)の名前はグッジョブのグッジョだ!!全て母さん(マーガリン王妃)が名付けた素敵過ぎる名前だろう?そうは思わないか?」
……そう不安気な私に向かい微笑って魅せ。
……私の王子様は魔法の言葉を囁くのです。
「ー大丈夫だー大抵の事は何とかなる。俺を信じろ!!」
それは私が王子様を設定する時に込めた。
ーーとても大切な魔法の言葉ーー
ーー絶対……大丈夫(でぇーじょーぶ)だょ!!
「ーはいー私はデージョ王子様を信じます!!」
……私は、王子様に向かい囁いた。




