〜■D1□Dこの世からも追放された〜
「……作品内容にセンシティブな内容が含まれる為、アカウントを停止させて頂きますぅーー!?」
私ことナロージュ・ピクセル(ペンネーム)それは、三十路の春の出来事でした。
「ーーセイセイ!!ちょっとお待ちになって」
取り敢えず落ち着こうと私は、大好きな紅茶を淹れる。
最初の芽吹きと言われるファーストフラッシュの紅茶だ。
口の中に一口含めば鼻から春の訪れが花が咲くように芽吹いていったーー。……ふぅ。とても美味しい♡
落ち着いたところで、私はもう一度。
携帯端末に映し出される文字を読む。
「ふむふむ。ーーうんうん。なになに!?」
「……作品内容にセンシティブな内容が含まれる為、アカウントを停止させて頂きます。……なるほどね~〜」
ゆっくりと白磁器のティーカップをソーサーへ置き。
ゆっくりと低価格だが値段以上の価値がある真っ白なテーブルに手を置き同様に真っ白なチェアーから私は、徐ろに立ち上がった。
そして、真っ白な携帯端末を優しく手に取りーー。
ーーーーブンッ!!と。
フルスイングでフローリングの床へと叩きつける!!
「ーーアカウント停止ですって!?応募要項には、R15表現はOKだって書いてあったじゃない!!あんなんちょっとピーーーーして、ピーーーーが、ピーーーーで、ピーーーーなだけでしょうが!!ヌルいエロをセンシティブ!?日和ってンじゃないわよ!!あんなんR12だわ!!」
ーーハァ、ハァ、息を荒げてドサリと真っ白なチェアーへと座る。ボロアパートの一室で、喚く三十路の底辺ドン底小説家志望の哀れな女の姿が、其処にはあった。
「……どうしろって言うのよ。この小説を書く為に仕事も休みに休んで疎かになって、遂にクビになったわよ!!この異世界ロマンスWEB小説コンテストに文字通り人生掛けてたってのに!!アカウント停止!?会社からも投稿サイトからも何か色々と追放され過ぎじゃない私!?」
真っ白な天井を真っ白な頭でぼうっと見詰めて上手く回らない頭で考える。……どうしようこれから。
……仕事も無い。……貯金も無い。……恋人もいない。
「…ホントに何も無いな…私」
そう呟いた時ーー、キリキリと胸の辺りがつった。
「ーーイッテ!イタタタッッ!」
ストレスが、めっちゃ胸にキテるーー!!
これアレだわ!
運転免許取る時に運転教習嫌すぎて!
教習前に毎回ストレスで胸の辺りつってた時の!!
あのストレスと同じ類のものだわ!!
ていうか、その比じゃない!!
ーーギリギリいってる!!
ーーこれヤバイ!!心臓逝ってない!?
ーー運転免許の時は何だかだで直ぐ収まった!!
ーーええ!?なんで収まんないの!?
収まるどころかどんどんーーギリギリ…あ…これ。
……ダメなやつ……だわ。
其処で、私の目の前は真っ白になった。
平たく言えば……この世からも追放されたのだ(死んだ)。
アカウントが停止して、心臓も停止しました……。
ーーーーと。確か……そんな感じで人生終わった。
ーーーーと思ったんだけどね……。
ーーチュン♪チュチュチュン♪
ーーピピピ♪ーーピピピピピピ♪
真っ白に眩く綺麗な朝陽に可愛い小鳥達の囀りが麗らかな一日の訪れを告げているーーーー。
豪奢な天蓋付きの真っ白でフッカフカの綿雲の様なベッドで私ことナロージュ•ピクセル(ペンネーム)は、目覚めた。
ーーーーん?どゆこと?
ーーーー私、死んだんじゃなかったっけ!?
ーーーー何ここ!?天国かしら!?
ーーーー何時ものカチカチのせんべい布団じゃないし。
ーーーーアカウント停止される様なキモヲタでも、
ーーーー天国には逝けるのね♡
取り敢えず。二度寝しよ〜〜♡と瞼を閉じた時でした。
ーーコンコンコン。と控えめなノック音が聞こえ。継いで「あっ、あのぅ。メッ、メイドールですっ。あっ、朝のおっ、お目覚めのお時間ですっ。おっ、お早うございますっ。なっ、ナロージュ様」と。何ともオドオドとオドついた。か弱そうな少女の声が聞こえてきました。
「んん〜〜?何かしら?新参者担当の天使様かしら?」
天蓋付きの豪奢なベッドで伸びをして、取り敢えず。私はベッドから降りた。ーーと同時に「しっ、失礼致しますっ」と緊張で裏返った高い声を震わせて、その新参者担当の天使様?が、無駄に豪奢で広い部屋に入って来た。
ーーーーカラカラカラ。と何やら色々とお洒落なシャリオ(ワゴン)に載せて私の元へ運ぶ姿には、天使の様な羽は生えていない。じっーーと、その新参者担当の天使様?(羽無し)天使も餃子みたいに羽ありとか羽無しとか選べるのかしら?とか思いながら見ていたら。私の視線にその新参者担当の天使様?(羽無し)は酷く怯えてビクビクとしている。
……ん?何だか?この新参者担当の天使様?(羽無し)何処かで見たことある様な?何かしら既視感って奴かしら?
……見たことあるのよね。灰色のドリルツインテール。
オドオドしたメイドちゃん。オドオドメイドメイドール。
ーー( ゜д゜)ハッ!其処で私は、思い出したのだ!!
「あっ、アナタ!!ドリル・メイドールよねっ!?」指を差しワナワナと口を押さえて叫ぶ私に私以上にワナワナとして、オドオドしたメイドちゃんは「はっ、はひぃ〜〜!?」と混乱したヤギの様に凄い速さで豪奢な部屋中を飛び回りグルグルとドリルの様に回るーー!!
……その混乱混迷困惑ぶりを見て、確信した。
……私は、彼女をよく知っているーー。
彼女は、新参者担当の天使様?(羽無し)なんかじゃない。彼女は、あの異世界ロマンス小説コンテストに応募した。内容がセンシティブ過ぎるからとアカウント停止になった。あの異世界ロマンス小説の登場人物だ。
この豪奢な部屋も天蓋付きの綿雲の様に真っ白でフッカフカなベッドも何もかもーー見たことがある。
……と言うか。書いたことがある。
ーー……そう、私は全て理解したのだ!!
ーー此処は、天国なんかじゃない……!!
ーー此処は、信じられないけど確かに私がっ……!!
ーー……私が書いた小説の世界だッッッ!!
♡お陰様で♡
2025/9/2(火)のランキング
112 位[日間]異世界転生/転移〔恋愛〕 - 連載中
にランクインさせて頂きました❣❣
とても励みになります❣❣
有難うございます♡m(_ _)m♡
完結に向けて頑張ります(๑•̀ㅂ•́)و✧




