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『悪役令嬢』は始めません!(5)

(うーん……結構ぎっしり予定を入れてしまった)


 手帳に転記した一ヶ月スケジュールカレンダーを、私はペン先で小突いた。

 孤児院訪問やチャリティーバザーなど、慈善活動についても先月までより回数を増やした。悪役令嬢の断罪イベントにおいて、重箱の隅をつつかれるような真似をされるかもしれない。よってこれもお茶会同様、対策の一環としての点数稼ぎだ。全然善意ではないが、増やした回数以外は一応善意として許して欲しい。


(最優先事項は当然、レンさんとの時間だけど)


 建築ギルドに行く時間帯は、青いインクで目印を付けておいた。

 レンさんはギルドにいないときは現場を回っているのか、ギルド以外ではノイン家に来たときしか会ったことがない。そして家に来るのも稀。基本、会いたいならこちらから出向くしかない。


(ふふふ……レンさんの在席予定表をもらってしまったわ)


 つい顔がにやけてしまう。今日ギルドを訪問した帰り際にレンさんからもらった紙を、私は丁寧に広げた。

 それを見て知ったのは、今日ギルドで彼に会えたのは偶然――本来、今日は不在の予定だったということだ。昨日突発の予定が入ったことで残ってしまった仕事を処理するために、来ていたらしい。

 予定表によればレンさんが在席しているのは、何といつも父と一緒に訪問している曜日と時間帯限定だった。昨日の私は本当に運が良かったのだ。

 今はその予定表に、青いインクで丸印が書き加えられている。そう――私と会うためにレンさんが都合してくれた在席予定! あああ……(たぎ)る!

 こんなご褒美があったなら、ぎっしりな予定も華麗にこなせてしまいそう。スレイン王子関係に割かれていた予定も今後無くなるわけだし、そこも空くはず。行ける行ける。


(特に三日ごとにあった王妃教育の時間が空くのは大きいわね)


 王妃教育は朝から半日ほど拘束される。それをもう何年も受けてきた。

 卒業がある学園と違って、王妃教育には期限がないという。当たり前といえば当たり前だ、国の情勢は刻一刻と変わるのだから。『王妃教育』という名称で無くなるだけで、王妃のための勉強というのはずっと続く。

 とはいえ、王妃教育自体は嫌いではなかった。あの素晴らしい皇太后様のマンツーマン授業を受けられるとか、贅沢すぎると思う。

 皇太后様は教え方が巧みで、またこちらの話をよく聞いて下さる方でもあった。威厳がありながら茶目っ気もあって、所作は勿論美しい。王妃教育の目指すところはまさに彼女だろう。ゴールの明確化はありがたかったが、同時にプレッシャーも感じていた。


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