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メゾン格ゲー  作者: みおま ウス
第二章 学園格闘者発掘編
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第三十話 アイドル事変(その六)

『再びリング上にはミコルル選手とマムマム、ウルウル選手が向かい合います。互いに警戒しているのか慎重ですね』

『しかし観客の盛り上がりは凄いですねブッドー先生。闘技会からこんな感じだったのですか? 私は控え室にいたので気づきませんでしたが』

『いえ……まあ、ここまでではなかったですね。なにせこの試合の迫力、技術とも飛び抜けて素晴らしいですから』

『なるほど、学生諸君の良い刺激になっているといいですね!』

『同感です。あっと、動きますよ』

『これは、再び先程の戦法を取るようです! ウルウル選手がロープの反動を使いリング内を走り、マムマム選手が飛び上がるー!』



 舐められたものだ。

 同じ手が二度通じると思われるなんてね!


「ミコルル!」


 私はミコルルにしか見えないように合図を送った。


 ミコルルもさり気なく目線を送ってきた。


 了解でいいんだよね?

 信じてるからね。



『ウルウル選手が速度を上げるいくー! ミコルル選手は対処法無しかー!?』



「ウルっち! マムっち! 何かあるっす! 油断禁物っすよ!!」


 勘のいい奴……!

 やはり後輩をなんとかしなければこの試合、勝利はない!



『あっと、ここで動いたミサ選手!』

『先程の強力なドロップキックが印象的ですが、今回はどう出るのでしょうか』



「来るっすか姉様!」


 私は練れる限りの気属性魔力を練って、腕に集めた。

 後輩なら見逃さないはずだ。


 やはり。

 奴め警戒して気を同じぐらいまで練り上げた。



『これは、大振りのラリアットかー!? しかしキャミィ選手防御の体勢は万全だー!!』



 かかった!



『おおっと、ミサ選手手前で空振りしたー!?』

『フェイクだったようです。本命来ますよ』

『ミサ選手、キャミィ選手の両脚を掴んだー! これは、ジャイアントスイングだーー!!』



 ポリゴン格ゲーで一世を風靡した最強威力の投げ技だ!

 受け身が導入してからは、威力低減の憂き目に遭ってしまったのが残念である。


 だが目的はダメージではない!



『ミサ選手場外にでて豪快に回転! キャミィ選手を大きく放り投げたー!』



「しまったっすー! マムっち! ウルっち! 技ストーップ!!」


 倒す必要は無い。

 ただほんの数秒後輩を遠ざけることができればいいのだ。



『これは滞空時間の長い投げですね。キャミィ選手既に空中で体勢を立て直していますが、懸命な叫びはチームメイトに届いていないようです』

『ウルウル選手、マムマム選手仕掛けるか! ……あーっとここでミコルル選手ダッシュ! そしてロープに足をかけ、大きく跳躍だー!!』

『マムマム選手反応してますよ。先程背を取られたのが効いてるみたいです』

『しかしミコルル選手構わず組みに行く! お、これはどういうことだ!? ミコルル選手の手がマムマム選手の体に吸い付いたようになっているー!?』

『これは……凍らせているのでしょうか。自分ごと。魔法が自分の体から離れていないので、ルール違反ではありません』

『何と言うことだー! これは相手ごと墜落する自爆技なのかー!?』

『いえ、見てください。ミコルル選手、マムマム選手の足を掴みましたよ』

『そして逆さにしたマムマム選手の両脇に足を差し入れ固定したー!! これは、マッソードライバーだあぁぁ!!』

『ま、また私の知らない技が。クイラ先生、それは』

『おっと! ミサ選手も動いているぞ! ウルウル選手を一瞬で組み伏せ、頭上に逆さまに持ち上げたー! 更に両腿を手でがっちり掴んで、ウルウル選手の首を肩と頭で挟んで固定だ! こ、これは、マッソーバスターだあぁぁぁ!』

『知らない技ばかりが……あ、ミサ選手が飛び上がりましたよ!?』

『何と技はまだ終わらない! ミコルル選手のドライバーとミサ選手のバスターがまさかの合体!! これは凄い技が出るぞ!! プロレスファンならずとも刮目せよ!』

『こ、こんな凄い技が』

『これこそ伝説になるツープラトン! その名も』

『その名も?』

『その名も……誰か良い技名つけてくれええぇぇ!!』

『技名すら無い技が今決まろうとしています。私ブッドー、一プロレスファンとして感動を隠せません』



「ちょ! クイラ先生! ブッドー先生! あんなの決まったら死ぬ死ぬ! 死んじゃいますって! 感動も実況もしてる場合じゃないですよ!!」



『決めろー! 最高のツープラトンー!!』



「ダ、ダメだコイツらー。うわぁ!」

「キャー!!」



『あ、キャミィ選手が』

『ん? ようやく着地したキャミィ選手、もう間に合わないはずだが……あっ!! これは突然の暴風! ツープラトン崩れたぁ!!』

『キャミィ選手の魔法であることは明らかですね』

『これは反則! 重大なルール違反が行われてしまったー!!』

『ミサ選手、ミコルル選手、それぞれ相手選手を横抱きに抱えたまま華麗に着地。マムマム選手とウルウル選手フラついてますが、とりあえず全員無事のようです』

『ここでレフェリーからのストップがかかりました! やはりアイドルチームの反則負けです!! 勝者二年生チーム!!』



 どわあっ


 会場が盛大に沸いた。


「キャー、ミコルルさーん!」

「ミサ様〜! 最高でしたー!」

「うおぉぉん! キャミィちゃん! ウルウルちゃん! マムマムちゃあぁぁん!!」

「アイドルチームも良かったよー!」


 観客が私たちの健闘を称えてくれる。


「ありがとっす〜」


 後輩はお供ズの治療をしつつ声援に応え手を振っている。


 私とミコルルも拳をぶつけ合って頷いた。

 手でも振ろうかな。



「ハァハァ、ミサお姉様……」



 ゾクッ


 今悪寒が走った。

 はっ! そう言えば今の格好!


「……っ!」


 私は指に触れる横乳の感触に青くなり、大慌てでガウンを着込んだ。


 ミコルルも思い出したようだ。


 「あ〜」


 溜息がそこかしこから聞こえる。


「もうちょっと見せてやりゃいいのに」


 ジャンネが笑っている。

 冗談じゃない、これ以上恥ずかしい姿を晒せるか!



「姉様、完敗っす。さすがっすね」

「そっちもナイスファイト。最後のはいい判断だったわ」


 差し出された後輩の手を握り返す。


 あのツープラトン、もちろんそのままリングに叩きつける気は無かったが、さぞ慌てたことだろう。

 それにしてもやはり魔法は、後輩の方が少し強いかもしれない。


「ミコルル、強かった」

「私たち二人でもまだ勝てない」

「いいえ、二人ともとても強くなってましたよ。一年後が楽しみですが、私もうかうかしていられませんね」


 私と後輩が握手を交わし、ミコルルとお供ズが抱擁し合うと、また会場が拍手、口笛と歓声に包まれた。




 そして興奮が一段落した頃、アイドルチーム三人が背を合わせ、三方に顔を向けた。


「ボクたちアイドルは、今日を以て解散するっす! 短い間でしたが応援感謝っす!」


 ファンらしき男子たちが泣きながら感謝の言葉を投げかけている。


 ゾンビッシュ君なんて大きな応援旗みたいな物振り回して号泣してる。

 やっぱ本人が一番のファンだったか。


 嘆願書の件は叶えるも何も、アイドル自体が活動禁止になってしまったが、それは元から私たちの手に負えることではなかったのだ。

 一応ファンクラブの人たちは優先的に良い席を与えられたようだし、この後アイドルと特別な交流があるらしい。

 それでチケットどうのこうのの話はチャラだ。


 あ〜、解決して良かったぁ。

 何故私が解決に乗り出さなきゃならなかったのかは、もう考えないでおこう。


 私とミコルルはガウンの前を押さえて、声援を受けながら控え室に戻った。








 後日――


「ミサお姉様ー!」

「ミコルルさーん!」


 私たちは学年も違う生徒たちから声をかけられるようになっていた。

 しばらくカツラでも被って過ごさねばならないかも。


「プロレスクラブを立ち上げよう」


 クイラ先生が熱烈に言ってくる。


 冗談じゃないですよ!

 しかもそれ、アイドルと扱い変わらなくなりますからね!!


 みんな早く忘れてください!

 このアイドル事変編は皆様お気づきのとおり、大人気超人プロレス漫画を参考にしました。

 書いてて楽しくなった勢いのまま投稿したので、読みづらい場面もあるかもしれません。特に実況の部分など、筆者は当然容易に見分けられますが、「読者的には分かりにくいぞ」とか、そんな感じでしたら御指摘いただけると今後の参考になりますので、よろしくお願いします。

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