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私は異世界に転生してしまったのかもしれない、そう考えた時からの私の行動は早かった。

まずベットから飛び出して、鏡で自分の顔を確認した。

ピンク髪のお姉さんが言っていた通り、髪は海のような青色で目は金色。ちなみにストレイトだ。そして、すっきりとした輪郭に整った顔。なんとなくさっきのピンク髪のお姉さんにも似ている気がした。


「これは可愛いの部類に入るわね。」

まあ、転生先の体が可愛くないってあまりないけど。

とりあえず第一ステージは突破だね。そして完全に異世界に転生してしまったということがわかったね。


その次に、家の探索をした。倒れたばかりなのに立ち歩いてはいけません!と、メイドさんに反対されたけど、少しだけだからと言ってやっと許しをもらった。

でも、こんなに過保護でメイドさんがたくさんいるって私、お嬢様だったりする・・?


きゃー!!お嬢様だって!!もしかしてルーラお嬢様、とか呼ばれたりしちゃう?キャ//ルーラはずかし〜。


などと心の中で妄想していると図書室らしきものが見えてきた。早速中に入って、椅子に座ってみる。


「結構広いなー。これは本当に私、お嬢様かもしれない・・・」

図書室の広さは、25メートルプールがすっぽりおさまっちゃうくらいだ。壁沿いに置いてある本棚にはぎっしりと本が詰まっている。とりあえず近くにあったグロブナー家の歴史という本を手に取ってみる。


ふむふむ。グロブナー家というのは公爵家の中でもかなり上位に君臨している家らしい。

なんでも、稀少な魔力である海の魔法を使えるとか・・。へえ、“海に囲まれているこの国では海産物を多く輸出しているため、海の王と話すことができる海の魔法を持つものは貴重なのだ’’だって。


魔法かあ。海の王と会えるって、かっこいいなあー。


そんなことを考えているうちに、あっという間に夕食の時間になってしまった。


「ルーラ様、今日は旦那様も夕食をご一緒にとられるそうですよ。よかったですね。」

「え、ええ。」


夕食用のドレスに着替えさせられながらメイドさんに言われた。

そっか、この世界では父親と一緒にご飯を食べることが当たり前じゃないんだね。

就職前は、毎日当たり前に家族で食卓を囲んでいた生活をしていた私にはちょっと変な感じがした。




「お父様、お母様、ご心配をおかけしました。おかげさまでこのとおり元気になりましたわ。」

通された部屋に着くと真っ先にお嬢様らしい挨拶をした。多分、心配をかけただろうし、お礼を言わなければと思ったからだ。


「あ、ああ。元気そうでよかったよ。ルーラ。」

ん?なんかお父様の様子がおかしい気がするけど・・・?なんかやらかしちゃった?

内心焦っているとお父様の横に立っていたピンク髪のお姉さんが口を開いた。


「元気になってなによりだわ。ね、あなた。」

と、お父様を見上げた。

え、この2人夫婦?お母様ってピンク髪の人?お母様若くない?若すぎない?

てっきり歳の離れた姉だと思ってたよ・・・


「そうだな。まあ、座りなさい。」

「ありがとうございます。」


私が席に着くとすぐに食事が運ばれてきた。病みあがりなのを考慮してくれたのか、私の食事だけヘルシーメニューだ。温かそうな湯気が立っていてすごくおいしそう。


「いただきます。」

お父様やお母様はいただきます、的な言葉を言っていなかったが中身は日本人の私はきちんと言った。


まずはスープ。スプーンですくって一口食べてみる。

・・・。ん?おかしいな。味がしない。もう一口。そしてもう一口。四口目に行こうとした時、私は気づいた。いや、味がしないんじゃないんだ。味付けがとてつもなく薄いんだ!!


「お母様。私、そちらのスープも食べてみたいのです。一口いただけませんか?」

もしかして病人向けに味付けを薄くしている可能性もある。念のためお母様のスープも調べておきたい。


「ええ、いいわよ。」


すると、近くにいた料理人さんが私の分をよそってきてくれた。


「ありがとうございます。」

また、一口食べてみる。

・・・うっす!!!味うっす!!塩気が全くないよ、これ。海に囲まれた国なんじゃないの?

塩使おうよ!!塩を!!


え、もしかして塩がまだ作られてない?そんなはず・・・あるかも。

そんな・・私、塩気がないスープなんてやだよ。そんなの耐えられないよ。

私は、これから始まる味薄生活を想像して


「いやああああああああ!!」


と叫んだ。






こうして私の塩作り計画が始まったのだった。













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