後編 君はブルーだろう
短編にしては長過ぎたので2分割しました。
読みにくい点があったらすみません。
慣れとは怖い。
衝撃・パンイチ事件から1週間経った訳で。
現状をお伝えしようと思う。
1週間過ごした結果、分かったことと言えば
1、パンイチになるのはあのアンドロイド部下のみである
2、パンイチ現象はワゴンで買ったあの眼鏡を掛けている時にしか起こらない
3、疲れから来る幻想では無い
以上3点だ。
解決方法は簡単だ。眼鏡を捨てれば良いのである。だがしかし、私はこの眼鏡を今日もまた涼しい顔で着けているのであった。
……すまない、実は筋肉フェチなのだ。
正直あの部下の筋肉は好みど真ん中であった。
ラインがくっきり出ている外腹斜筋、付きすぎでもなく、薄すぎずな上腕三頭筋…
(以外筋肉の賞賛)
話が脱線した。
顔と言動に出さなければ他者にもバレないので、心の中で部下に詫びながらも堂々と今も眼鏡を着けているという訳である。
…犯罪紛いなのは承知しているが、特に記録媒体にデータを残せる訳では無いので見逃して欲しい。
一応眼鏡を掛けている時は特に言動に気を配っている。ポロッとセクハラ発言をしかねない。
…そう、気をつけてはいたのだ。
「眼鏡気に入ってますね。作業中ずっと掛けているじゃないですか。」
「いや、割と楽になる気がしてね。安かったけど、いい買い物だったよ。」
嘘だけど。すまない…筋肉美を見てるなんて言えないからね。
何気ない休憩中の会話である。
「…そんなに良いんですか?」
「…え?あぁ、お気に入りだよ。効果は人それぞれだと思うけど。」
まさか興味を示してくるとは思わなかった。
声が裏返るほどに焦った。
あんまり興味を持たれてもまずい、ボロが出そうだし。
ここは1つ思い切って話の流れを変えるしかない。
私はこの時とても焦っていたようだ。
「そういえば、君は赤色系が好きなの?」
「…え?」
「いや、割と赤色のものを身に着けていることが多いなって…」
1週間見ていて、ほぼ毎日赤系統の下着だった。赤パンは気合いが入るというし、きっと好きな色なのだろう。
だが言った後に気付いた。
赤系統なのはパンツだけで、
眼鏡は黒縁、ネクタイは常に寒色系、デスクには何置いてたっけ…気にしたことがない。
つまり外に見える部分に赤色はないのである。
や ら か し た!!!!!!!
「…あぁ、ボールペンですか?よく見てますね。」
「えぇ、あぁ!!そうそう!!ボールペンね!!!」
助かった!!ボールペン赤色だったんだね初めて知ったよ!!
部下の普段使いのボールペンは赤色だったらしい。神よ、今ほど貴方に感謝したことはない。
「先輩こそ、青系統好きですよね。」
「青色?あぁ、好きな色だよ。」
返事をしたもののふと抱いた違和感。
デスク周りのものは全てモノトーンで揃えてある。出勤はベージュスーツなので特に寒色系ということはない。
「青色のもの何処かに置いていたかな?会社のものは全部モノトーンだったと思うんだけど?」
「よく身に着けているじゃないですか。似合ってますよ。俺は好きです。」
そう言って部下は眼鏡をトントンと指差しながら
あの動かなかった顔面を ほんの少し動かし
淡い微笑みを浮かべながらデスクに帰っていった。
「………は???」
私が買った眼鏡は黒色なのであった。




