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状況把握は簡潔に!

「そんな...!リア姉!!!」


遠くでマリーの可愛い声が聞こえる気がする。

リア...だっけ?


あの美しい蝶はレイモルフォ蝶という。一般的には珍しい蝶だが、この森には群生しており孤児院の子供たちには割と馴染みのある蝶だった。昨日孤児院に訪れた貴族の御子息が子供たちから蝶の美しさを聞き、次描く絵のモデルにしてみたいと話していた。確か孤児院に定期的に寄付してくれているという侯爵様御一行だったと思う。


美しい顔立ちの御子息にうっとり見惚れていたマリーが蝶を探す為に花摘み係に立候補したのだろうとは思っていた。10歳程も歳上の男性に憧れるなんて、マリーはちょっぴりおませさんで本当に可愛い。


でもまさか川に落ちるなんて....。

やっぱりイケメンは私にとって疫病神だわ。

...イケメン?


「....誰か..助け...て!!!だれ...かーーーー!!」


つい現実逃避してしまったけど、マリーの声が聞こえづらくなってきた。そろそろ体力も限界なのかもしれない。私はマリーを助けられて満足してる。

強いて言えば孤児院の弟妹たちが大きくなっていくところをもっと見ていたかったな。

そういえば桃は成人式ちゃんと出たのかな?

椿にヘアセット頼むとか言ってたな。

柊も張り切ってカメラ新調してたっけ。

...もも?つばき?ひいらぎ?

誰だっけ?成人式って?


さっきから何かがおかしい。

いくら着衣してるとはいえ、元水泳部の私が溺れるっておかしくない?

あれ、私の腕こんなに白かったっけ?

目の前をユラユラ揺れる時々ピンクに輝く金糸みたいなコレは何?

ピンク...。そうだ、私の名前【桜】だよ!リアじゃない。


城北高校水泳部元キャプテンの意地を見せろ!桜!

全力で泳ぐのよ!


「ガボッ、カハッ、ケホッケホ...」

「リアねえぇぇーーーーー!!!良かったよぉぉぉぉ!!えーーーん!」


マリーが鼻水を垂らしながら抱き着いてくる。


「わたしのせいでリア姉が死んじゃうかと思った...。ごめんなさい、ごめんなさい、怖かったよぉぉ」


とりあえず二人とも無事に生還できたのだからとマリーを慰めながら、顔にへばりつくピンクブロンドの髪を掻き上げる。


えっ、ピンクブロンド?

いつに間にブリーチした?ウィッグ?

確かに塩素でダメージ受けて、茶髪よりだったけど黒髪だったぞ。

てゆうか私リア姉じゃないよ?

あれ、マリーちゃんってどこで知り合ったんだっけ?


ふと流れる水面に視線をやると、揺らめいて鮮明には見えないけれどピンクブロンドの長い髪の毛にくりっとした金色の瞳の超絶美少女が居た。


はい、今把握しました。

転生的なやつねーーーー。(白目)

サクッと状況把握させちゃいました。(めんどくさいからではない…笑)

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