幼馴染み
また、はじまったと思った。友達の二人はいつもそうだ。
本人のいないとこで、他人をいじり馬鹿にするのだ。
入学式の後、席が近かったから自然と話すようになって、ここまでズルズルと来てしまった。
「…あの、私の幼馴染みを、イジるの止めてくれないかな?」
ずっと耐えてた。いつも、友達が私の幼馴染みをイジるのを。
「……はぁ?あいつ庇うんだ」
「空気読めねー」
私の注意は、友達には届かなくて寂しかった。
いや、友達じゃなかったのかもしれない。
「空気を読んで、人を馬鹿にするなら、空気なんて読めなくていいから」
明日から、私がイジられるのかもしれない。
いや、それならばまだマシか。でも、もっと酷いことになったらどうしよう思うけど、幼馴染みが、イジられるよりはいい。
「あんなぼっちのなにがいいのよ?」
「ぼっちを、馬鹿にするな!独りで頑張るってことは、辛いことも一人で耐えて来たんだから、私は凄いと思う!」
私が、大声出したもんだから、二人はびっくりしてる。冬の空気のように凍りつく教室。
私も小学校の時そうだったから。でも、幼馴染みの君が、帰る時いつも一緒に帰ってくれたから。私は、救われたんだ。
「………」
「………」
両親が離婚してから私は、心を閉ざしたままで。
でも無口なあなたは、いつも一緒に帰ってくれた。
たまに、泣きそうになった時も、さりげなくハンカチを渡してくれて、何気にモテるようになるかとも思ったけど。
ともかく、大切な思い出だよ。
「………じゃ、私はあなたたちと関わらないね」
一人、机に向かってなにか書いている君に声をかける。
知ってるよ。あなたがなにをしてるのかを。
ずっと、自分の物語を書いてるんだよね。あの頃からいつも。
だから今のやりとりも耳に入ってないと。
「えへへ。たまには、一緒に帰ろ?」
「あ、ああいいけど。でも僕といると君に迷惑がかかるかも」
「そんなことは気にしなくていいよ。
私があなたと帰りたいんだから」
「……うん。嬉しいけどその台詞は言ってて照れくさいよね」
「そ、そう言うのいちいち口に出さなくていいから!」
君は我に返り、周りを気にしてないから、悪口やイジられても気にしないのだろう。
その日から幼馴染みと昔みたいに話せて嬉しかった。
一緒に帰ることも多くなって、いつしか手を繋ぐようになるのは、まだ先の話しです。




