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チョコレート
「ほんとにいいんだね?」
「うん、お願い。」
昼休みの教室で、私は隣の男の人に頼むことにした。
視線は、好きな男の子、悟を見たまま。なにも知らないで、いい気なもんだ、うん。
隣にいた男の人は、私からとある箱を受けとると、ゆっくりと、悟の元へ歩いていく。
ああ、悟とは口喧嘩してばかりしたけど、もう口喧嘩出来ないのか。
私は、昨日死んだ。事故でね。今日のために、チョコレート作ったのにさ。
ちなみに、君にチョコを渡しにいくのは、死後の案内人だってさ。
好きとは言えなかったけど、受け取ってよね、スキ、の変わりのチョコレート。
バイバイ、悟。またいつか、喧嘩しようね!
案内人からチョコを受け取った悟が、こっちを見た気がした。
涙で、滲んで見えなくなった。




