表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君と僕の物語  作者: かずねこ
4/34

一緒に

加奈枝は、恐怖に震えていた。目の前には化け物がいて、加奈枝を喰らおうとしている。

この村は、昔からの風習で、生け贄を化け物に差し出すと言うしきたりがある。

加奈枝は、馬鹿なと思った。

生け贄を差し出してどうなると言うのだ。祈っても救われない。

抗うしかないのだ。武芸の才などないが、なにもしないで食われる気はない。


しかし、護身用の小刀は届かない。固い鱗に阻まれ、取り落とす。痺れる利き手。このまませめて、心まで痺れてしまえば、恐怖に震えずに済むというものの。

短い人生だったと目を瞑ると化け物の悲鳴。



あなたがいた。びびりの幼馴染みが来てくれた。

震える手に、刀を抜いて。振り返らずにあなたは、聞く。

「加奈枝さん、大丈夫か?」

「はい」

「こいつを倒したら、私と結婚して下さい」

「……ばか」

ビビりなくせに、こんなときに勇気見せてくれた。

昔は、村の男の子にいじめられてばかりいたのに、今では逆になってしまった。


加奈枝は、ただ離れて祈る。

いや、違う。一緒に戦うのだと、小刀を拾い。

共に武器を振るう。固い鱗なら、同じ箇所を何度も、何度も。


死闘の果てに、化け物を倒して、私は彼と結婚した。

あんな村になど帰らずに。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ