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君と僕の物語  作者: かずねこ
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春一番

強い風が吹いたのです。それはもう春一番と言う奴なのでしょうか?髪型が乱れるから嫌とか、スカートが捲れそうになるからとか。砂埃が舞うから嫌だとか色々ありますが私は少しうきうき気分です。今日から四年生。私は新たにレベルアップしたのです。やたらと明るいミナとはクラスが違って別れてしまいましたが、それもまた人生。出会いと別れの繰り返しと言う奴とママが言ってました。おっと。おっかぁと今日から呼ぶのでした。だって私は四年生。少しは大人の仲間入りなのです。ほんとはお母さんだとつまらないでしょうとおかぁの言葉ですが。朝のM!LKも自分で暖めるようになったのです。




「ははははははは!おはよう、咲樹!」

「おや、これはお隣のお兄さん。おはようございます」

私はペコリと挨拶する。目上の人への礼儀と言うものです。お隣のお兄さんは社会人なのでスーツをビッシリと着こなしていますが、残念なことに今のところ彼女がいないと夜な夜な近所をぶつぶつ言いながら歩いてると近所でも評判のお兄さんです。朝見ると爽やかなんですけどね。

「うんうん、いつも礼儀正しいね。そんな咲樹ちゃんにはアメを上げよう」

「知らない人から物を貰ってはいけないとおかぁに言われていますので」

ポッケから飴を取り出したお兄さんはピクリと固まります。


「ははは!これは一本取られたな咲樹ちゃん!フレンドリーに話しかければ仲良くなれると思ったのにぃ!ちくしょう!」

お兄さんは泣き笑いながら駆けていきました。

そうです。私の隣の家にはお兄さんは住んでいますが話したことなどほぼありません。たまに見かけることはありますがそれだけです。当たり前のように話しかけてきたのでどうなるかと流れに身を任せただけなのですw


そしてお兄さんはロリコンです。

でも地元でも評判の紳士的なロリコンなので不審者扱いされてません。常にエスコートして下校途中の女の子を家に送り届けると言う偉業を成し遂げています。



飴を貰い損ねたのは残念ですが。まぁ、雨の日にはたまに飴も降るのでそれでいいのです。




学校まで近くなって来ると生徒もちらほら。下級生の幼さを見ると私も去年はあんなんだったのですね。


そこへ、また強い風が吹いて飛ばされる下級生たち。

とても楽しそうです。そして安心なのは、空に浮かぶ羊雲たちがめぇ~めぇ~と受け止めてくれるのです。ふかふかして気持ち良さそうなので昼寝には最適ですよ。



近くに公園があるからひらひらと舞う桜の花びら。近所では花見ができるほどの桜の木が植えられ、昼間はファミリーや恋人たち。夜は飲んべえや世捨て人の絶好の花見スポットです。



強い風に吹かれて花びらたちが楽しそうにタンゴを踊っていますが私は少々目を見張りました。いとこのお姉さんと温泉に入った時にブラのパットがいくつも落ちてお姉さんの胸が萎んだ時依頼目を見張りました。


桜の花びら一枚一枚が子供のペンギンに変化して地面に落ちたのです。どんどんペンギンに変化してじゃんと整列するペンギンたち。この皇帝ペンギンの子供たちの整列はまさか……!

私は溢れるワクワクと共にペンギンに近づくとペンギンの後頭部をお口ですいます。うーん。独特の毛触り。私はペンギン吸いをしてみたかった。水族館に連れて行ってもらってもさせてもらえませんでした。

アザラシが誘って来たのでお腹を触らせてもらったことはありましたが。


ペンギンの様子をうかがうと満足そうです。そして、ペンギンたちはよちよち歩きだします。私も着いていきます。周りの歩行者も着いていきます。


そろそろでしょうか。ペンギンたちはやおら立ち止まると腰に力を入れます。

すると今まで強い風が吹いてペンギンたちは次々と飛ばされて行きます。とても名残り惜しいですが春一番を見れたので大満足です。この後ペンギンたちは桜前線北上中なのです。私もペンギンたちと一緒に飛ばされます。桜の花びらと混じって、ペンギンたちと手を繋いで運ばれていきます。


「めぇ~めぇ~」

しかし私は優しく羊雲に受け止めてもらいました。陽だまりみたいでぽかぽか暖かいです。離れていくペンギンたちに手を振って私はこのままお昼寝と行きたいですが先生たちが鬼と化すので止めておきましょう。


校庭に降ろしてもらい見上げるとペンギンたちと桜の花びらは遥か彼方。ペンギンたちはこれから旅をして様々な出会いをするのでしょうか?

それを想像するだけでわくわくします。


私もこれから新たな出会いをするのかと思うとわくわくが止まりません。

春一番は吹いたので、後は進むのみです。



おしまい

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