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君と僕の物語  作者: かずねこ
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ギャップ

「課長。こんなとこでなに一人ジェンガしてるんですか?」


「あ、いやご、ごめん。日ノ出」

会社の憩いの場と呼ばれる休憩室には、なぜかジェンガが置いてある。


そして課長は、仕事は優秀なのに、プライベートはぼっち。


いつも気にしていた。昔からぼっちの人を見ると、独りでなにかに戦ってる感じがかっこよく見えてしまうのだ。


友だちに話すと、非リアじゃーんと笑われたので、それ以来話すのは止めた。


「謝らなくていいですってー。それより一人でやってないで、私も一緒します」


「え?あ、うん」

二人で、やってると課長の集中してる表情がかっこいい。

スマホで、撮影してー!なんて言ったら引かれてしまうかも。


「お、なにやってんの?」


「二人で、ジェンガですか?」

同僚の二人もそのまま流れるように加わってきた。


危ない。今ので崩れそうになったけど、大丈夫だった。

それよりも、同僚のタナカ。今、課長のこと嘲るように見ただろー。


こいつはいつも、課長が昼休み一人でいるのを見て馬鹿にした目で見ているのは知ってる。


もう一人の青木は、別になんとも思ってない感じ。

興味があるのは、合コンばかりだ。小悪魔の仕草で、上司や同僚に甘えているけど、うちの課長にはいくら甘えても、仕事では甘えさせないので、興味ないみたい。


恨まないだけ立派だと言えるけどね。



気づいたら、昼休みも終了していて。


「課長!次は、負けませんよ!」

フンと鼻を鳴らして田中は席を立つ。

「課長に勝つまで、合コン行きません!」

青木。どんな覚悟。同僚の二人が、口々に言いながら去る。



「さて、と。課長、午後も頑張りますか」

席を立って大きく伸びをすると課長に呼び止められる。


「ひ、日ノ出」


「はい?」


「た、楽しかったよ。ありがとう」

柔らかい笑顔に、きゅんとしてしまう。仕事とのギャップー!


「は、はい。またやりましょう」


「あ、ああ。そうだな」

その日から、課長と昼休みを過ごすことが多くなった。

あの二人の同僚も、なぜかジェンガで勝とうと躍起になって来たりする。


いつか、課長に告白させてやるんだからねー。

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