18/41
帰り道
「涼しくなって来たヒグラシの鳴くこの時間帯が好き」
「……なに言ってんの?」
君は、スマホから顔を上げて、からかうように笑う。
僕より、スマホに夢中なので、興味を惹きたかったとは言わない。
キモいと言う言葉が、君の口からこぼれるのも、キモいと言う言葉も嫌いだからだ。
「君と歩くこの時間帯が好きです」
言ってしまってからハッとする。これは、告白じゃないか。
僕の告白に君は、目を丸くした後、にこっと笑う。
「……取り敢えず、アイスでも奢ってよ」
君の言葉に僕は、首をかしげる。
取り敢えず君とはこれからも、一緒に帰れるってことかな?
いつもの駄菓子屋。いつもとは違う君との関係になれるかな。
オレンジに染まる景色は、美しくて君の横顔もきれいだった。




