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君と僕の物語  作者: かずねこ
16/41

ビーチバレー

静かな波音。海で たそがれていたら、クラスメイトの彩に声をかけられた。

彩も彼氏と来ていたので、合流することにした。



彩の彼氏とは、話したことがないので会釈だけする。

リア充とぼっちでは、接点がない。


彼氏の目がどこか、見下したように見えるのは気のせいではないだろう。

リア充は、すぐに僕にそういう目で見てくる。ぼっちをなめやがって。



「みんなで、ビーチバレーでもすっか?」

リア充の彼氏が、そんなことを言うので、他の友だちらしき奴等も頷く。


「優人、しょうぶしよ?」


「……ああ、いいけど」


ビーチバレーで勝負。彩と遊べるなら文句はないけど、彩の彼氏にはイラつく。

「お、やる気だねー」

弾ける君の笑顔を見てたら彩と仲の良い友だちの佑衣が、にやりと笑いかけてきた。

佑衣は、珍しくぼっちの僕にも話しかけてくる。


「私と組もうよ」


「あ、ああ」

佑衣は、小柄でピョンピョンとその場で跳ねる。

そう言えば、佑衣はスポーツ万能だから、心強い。



彩を見ると、リア充の彼氏と楽しげに。絶対負けられない。


勝負は、白熱した。僕と彩は、運動はそれほどでもないが、彩の彼氏と佑衣は、スポーツ万能なので、足手まといにならないようにするのでせいいっぱいだ。



白熱した勝負の後になんだか佑衣と仲良くなっていた。

結果負けたけど、たまにはスポーツもいいもんだ。


この片思いも吹っ切れるかもしれない。


波音が始まりを告げた。佑衣が、近寄ってきて、ペットボトルをわたしてくれた。


蓋を開けて、飲んで喉を潤す。


「真田も、結構やるね」


「どうも」


「他人行儀ー」

佑衣は、ポニーテールのゴムをほどきながら笑う。

「いや、あんま話したことないし」


「まあねー。じゃあ、これから話そ?」

ちょっと、ドキッとした。


「いいけど、ぼっちでいいのか?」


「それ、関係ないし」

佑衣は、ひまわりみたいな笑顔をする。

そうか。こんな風に笑うんだ。


「そか」

コートの方を見ると、他のクラスメイト同士がビーチバレーをしている。


「それに、真田のこと、ずっと気になってたんだー」


「………え?」

それって、もしかして。いや、まさか。

「私、孤独な人に堪らないんだー」


「おかしい人だね、時川も」


「佑衣でいいよ」


「じゃあ僕も名前でいいよ」


「ごちそうさま!」


「はい?」


「あはは。気にしないで。優人のこと、気になってたけど、彩のこと好きでしょ?」


「……分かりやすい?」


「んー?分かっちゃう?的な?」

スポーツドリンクを飲んで、あははと笑う。

なんか、こっちまで明るくなるな佑衣といると。

調子に乗りそうなので言わないけど。


「それに、チラチラ見てたでしょ?チラチラチラリズムが好きなのは分かるけど、止めた方がいいよ、キモいから」


「刺さることを、明るく言わないでくれ………でも、君も見てたってこと?」

彩を見てたことが分かるのは、佑衣も僕を見てたってことだよな。


「てへ」

てへぺろをするな。彩を見ると彼氏と楽しそうに笑ってる。

あいつのなにがいいんだか。僕が彩を見てると、佑衣につねられた。


「いてっ!なに?」


「……私のことも見ろよー」

拗ねたように、上目遣いされるのでドキッとしてしまう。

「そう言われても……」


「ま、そんな訳で連絡先交換しよー」


「どんな訳?」

ぼっちなので、スマホで連絡先を交換するのは久しぶりだ。


この夏は、君に押されるのは言う訳でもない。

そして、彩との三角関係みたいになったりすることは、この時の僕はまだ知らない。



それにしても、暑いのは夏のせいだけではない。

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