堕落した女
いよいよ突入した怪奇たち、そこで早速声をかけられ賭け事をした怪奇たちはある情報を耳にする。
早速その情報を頼りにし、怪奇たちは城の二階へと上がってゆく。
変強を追いかけ、二階に上がった怪奇が目にしたのは、男たちが丁半をしている場面だった。そこでは色々な外観の男たちが暴言を吐いたり、真剣に考えていたりしていた。
「なんなのよ…ここ」
あまりにも堕落しきった男たちを見て怪奇は呟いた。
「おやおや…珍しい女性の客だ…」
後ろから声が聞こえ、怪奇たちが後ろを向くと、片手にキセルを持ち、毛がボサボサで寝癖がひどい髪を後ろに垂らし、クマのひどい目をこちらに向け、笑っている女性がいた。怪奇が異様な風貌をした女性を見て硬直しているとその女性がまた話しかけてきた。
「ハッハッハッハッ!!そんなに私の見た目にびっくりしたのか!そりゃそうだ!ハッハッハッ!!!」
急に笑い出した女性を異様に思いながらも、怪奇は話しかけた。
「あのぉ…どちら様で?」
「ハッハッ…面白…ごめんごめん…自己紹介が遅れたね。私は幸有無 賭。ただの賭け事が好きな神さ。」
涙を拭いながら自己紹介をしたが、怪奇は信じられないと思った。目の前にいる堕落しきった女性が神?依神さんの方がもっと神らしいと思ったからだ。
「本当に?本当に神なの?」
顔をしかめて賭に聞いた。
「本当さ。こんな見た目してるがれっきとした神だ。そっちの青髪もそうだろ?同じようなもんさ。」
賭は紫苑に指を指して子供に言い聞かせるように言い放った。
「あ、そう…とりあえず私も自己紹介しましょうか。私は千万怪奇。下の名前で呼ばれてます。さっきの珍しいってどういう意味ですか?」
先程の珍しいという言葉が引っかかっていた怪奇はなぜそう言ったのか理由を聞いた。
「ん?二つの意味で珍しいって言ったんだ。一つ目は賭け事が好きな女性がいないから。そしてもう一つはここにいる女性は大体遊郭の方に連れて行かれるんだ。ほら、あんな風に。」
そう言って賭はキセルを吸いながら一方向に指を指した。怪奇たちがそっちに顔を向けると、着物を着た男に女性が無理やり部屋から連れ出されようとしているところだった。
「いや!やめてよ!!まだ!まだ、勝てるから!許して!連れて行かないで!イヤァァァァ!!!!」
女性は悲痛な叫び声を上げながら男に連れ去られていった。
「うわぁ…どうなの…アレ?」
怪奇は少し引きながら思ったことを口にした。
「だろ?ひどいもんさ。ここで金がなくなった女は即刻遊郭送りさ。男はここの労働力になる。けれど賭け事をやめる奴はいない。中毒になってるからさ。それかやめるとさっきと同じようになるからやめられないかだな。私の仲が良かった友人も中毒になって金が底をついて遊郭送りになったよ…。だからここが嫌いなんだ…」
口から煙を吐きながら哀愁漂う声で最後の言葉を呟いた。
「嫌い?嫌いなの?じゃあ私たちと一緒に脱出しないかしら?」
怪奇はさっきの賭の哀愁漂う声を聞いて提案をした。
「あっオイバカ!声が大きい!」
目を見開いてとても慌てた様子で賭は怪奇の口を抑えた。そして小声で会話し始めた。
「脱出?そんなこと言われたってなぁ…無理だよ。ここには支配人がいるんだ。そいつからは逃げられないよ。」
親指で上を指差した賭は不満そうな顔でそう言った。
そうしたら今度は変強が入ってきた。
「そんなこと言ったって顔に出てるぞ。支配人への不満が。だったら潰すまでよ。」
変強が指を鳴らしながら小声で賭に言った。
「お前はここから出たくないのか?その友人のために支配人を潰したくないのか?どうなんだ?」
変強は賭の目をじっと見ながら問いかけた。
「そうだな…不思議とあんたらなら出来そうだと思った。乗った!私の友人を助けてここから脱出する。」
決意の決まった顔で賭は変強を見つめ返した。
「よし!そう決まったなら、作戦を決めよう…賭け事をしているフリをしてこっそりと案を練るぞ。」
変強はそう言いながらあまり人がいない方のスペースに座り、怪奇たちを招いた。




