疲れた日には
帰宅後私はすぐにご飯の準備に取りかかる。私もエルもお腹ペコペコだ。
「エル。ご飯少し待てる?」
「うん、大丈夫!その間にお風呂入るから~」
「シャワーだけにしておきなよ?」
「えー」
「1人で入って溺れたくないでしょ?それと出来ればミキオの身体、洗ってあげて」
「わかった~」
「ミキオ。エルと一緒に浴びてきて」
エルに抱かれていたミキオにも声をかける。
【……えぇ】
「ミキオ?」
ミキオがとぼとぼと歩いている……なんだかの様子がおかしい気がする。
「どうしたの?」
【……ずっと】
「ずっと?」
【ずっとあの女の子に同じ体せいで抱かれ続けて身体が痛いのよっ!普通の動物だったら嫌がるくらいの時間をほとんど同じ体制でいたのよ!それに喋れないから強く抱き締められて苦しくてももがくしか出来なかったしっ!それに帰りも抱かれて運ばれるとはおもわなかったわっ!!】
ミキオは今まで言えなかった思いの丈を叫んだ。
ミキオの抱かれていた体せいは四足歩行の動物の前足の脇に手を入れ抱きかかえられている状態だった。それが数時間も続けば痛くなるのも無理はない。
「後でマッサージしてあげるから、休んでて」
【そうさせてもらうわ……】
「エル。ミキオは入れないから」
「1人で入ってくるね~」
エルも会話を聞いていてのでミキオの状態を理解していたので、お風呂には、1人で行った。
コトコトとお味噌汁を作っていると、シャワーの音がずっとしている事に気づいた。
水が勿体ないから使わないときは止めるようにうちではしている。
私はもしかしてと思い、お風呂場へと行く。
「zzz……」
「エル」
エルは背中にシャワーのお湯を浴びながら寝ていた。座りながら寝れていることにも驚きだが、滴るお湯が顔にかかっていないことにも驚いた。かかっていたら、溺れているのと変わらないからだ。
私はシャワーを止めて服が濡れるのも気にせずエルをお風呂場から出した。
「乾いた風よ」
私は乾いた風で身体についた水滴を取るイメージをさせて、エルの濡れている身体を乾かした。
やり過ぎると乾燥してしまうのでほどほどに調整しながら。
エルは乾かしている間も服を着せている間も起きることはなく、部屋の布団まで運んだときに少し『う~ん……』となったくらいで起きることはなかった。
よほど疲れていたのだろうと思うと、軽く食事をさせてすぐに寝かせればよかったと思った。
私はキッチンまで戻るとお味噌汁をカマドからどかし、火を消した。
「ミキオ、イズミ。食べれる?」
【食べれるわ】
【――食べれる!】
私は身体を休めていたミキオと影の中にいたイズミに、ご飯を食べれるかと問う。
さすがに1度加熱したものをまた冷やしてを繰り返して味の落ちたものをエルに食べさせたくはない。
「【【いただきます】】」
エルにはプリンでも作っておこう。
こうしてエル達が失踪した日が終わり、私も眠りについた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
明日は100話目。
ということで番外編を9時00分に投稿します。




