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数時間後。森で


エルを探しまわって数時間がたった。


孤児院の院長は兵士さんに探索を要請し、カイルの父親のパイルさんは別の区の兵士さんに自ら写真を持って聞きに回っている。グロウス学園にも行って門番さんに聞いてみたが、子供が数人で出入りはしていないそう。

そもそも学園関係者以外は入れない。


そして私は――



「次は?どっち?」

【う~ん……右っ!】



本当に薄くだがミキオの気配を感じるというイズミを頼りに住宅街の路地を進んでいた。



【あー近い?いや、まだ遠そう……?】



数十分ふらふらとさ迷っている私とイズミ。

本当に薄いようで気を抜くと方向も分からなくなりそうらしい。


タダンさんの所にいるタマサンに頼んだ方が可能性が高い気もしだした時。

イズミが違う反応を見せた。



【あ!近い!近いよ!レイヴン!】

「なら早く進んで!」

【おっー!】



猫の姿のイズミが駆け、私はその後ろを付いていく。

住宅街から近かった森が近づいてくるが、イズミは歩みを止めない。

つまり、エルは森の中にいるということだ。


軽い登りや下りを経てしばらく。結構森の奥まで来た。



【レイヴン!あそこだ!人がいるから隠れる!】

「うん!」



生い茂った草木を進んでいるとイズミが見つけたという。私も見つけてはいないが声が聞こえていた。

喋る猫が他人に見られてはまずいとイズミは私の影の中に隠れた。別に喋らなければ猫だから大丈夫だとは思うけど、用心。


少し進むと2つの声が言い争っており、その1人がエルだというのも分かった。



「――だから森の奥に入りすぎだって言ったのに!」

「だから反省してるだろっ!」

「反省してても魔力は回復しないし!僕達じゃ――」

「だからここで待ってるんだろ!」

「待ってたら傷が!」

「2人ももうやめてよ!」

「お腹減った……」



だんだんと見えてきた人影は4人。うち2人はエルとカイルだ。あとの2人は孤児院の、エルのお友達の男女で、確かに…アネルちゃんとナーバルくんだったと思う。


それに何故ミキオが来れなかったのかも分かった。

アネルちゃんがミキオを抱え込んでいるからだ。



「エル!」

「あっ……おねぇちゃん!!」

「レイ!!」「おねぇさん!!」「エルのおねぇさん!」



私が声をかけると、エルが私の姿を最初にとらえて私のことを呼ぶと他の子も私のことを呼んだ。

アネルちゃん以外の3人が私に飛び付いてきたっ!!


正面からはエルが抱きつくように、左右の腕にカイルとナーバルくんが両腕を引っ張るように掴まれ私はバランスを崩して私は後ろに倒れた。

ここが石畳の上じゃなくて本当に良かった……



「「「おいけち#%@……」」」



エル達男の子群が一斉に喋りだす。全くもって聞き取れないので、私はまずエルに状況を聞くため、



「エルから喋って!!!」



と出来る限り大声でいうとカイルとナーバルくんは黙ってくれた。

アネルちゃんには肩をビクッとさせてしまった。



「おねぇちゃん、アネルをなおして!足首とうでが痛くて動かせないって!」

「分かった。なら3人とも私から離れてくれる?」



アネルちゃんのために行動するには、私から離れてもらう必要があった。素直に退いてくれて良かった。


そこから私はアネルちゃんの傷を魔法でなおしていった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



――男の子3人が同時に言っていた言葉。



エル『おねぇちゃん!!アネルがねっ!ケガして!!』


カイル『レイ!!なんてもっとはやくこれなかったんだよ!!』


ナーバル『助けて!もう森暗くて怖くて皆ケンカしてぇー!』



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