薬屋での1幕 ★
エルはカイルや孤児院の子と遊びに行ったので、ちょうど良いと私も出かけることにした。
1番最初の月経から2週間。
痛みはそんなに感じなかったけど、これからはお腹や腰の痛み、胸がはったり身体全体がだるくやる気が起きなくなるといった症状が出てくるらしいので、薬剤を買った方がいいと始めに話したミューカさんに言われた。
薬剤は高いからあまり進まないが動けなくなるのは困るので、今私は肩掛け鞄を持って薬屋さんに向かっていた。
「確かにこの辺だって…………あった」
ミューカさんから貰った地図に記された薬屋さんを見つけることが出来た。
場所しか書いてなかったから不安だったけど、建物は珍しすぎる黄緑色の壁に何かの草の蔓が所々から這っている。そして何より『薬屋だ!』と大きな看板に書かれていた。
私は恐る恐る扉を開ける。
――ギギィ~~。バタン。
中は特に変わった所はなく、『用途を教えて!作るから!』と書かれた立て看板があり、側にはベルもある。つまり鳴らして呼んでということ。
――チリチリーン。
「はーい!!いつでも安心安全効果抜群薬剤作るリンランですよー!!!」
「・・・」
店の中に響く、薄紫の長髪をポニーテールで結んでありエプロン姿のリンランという人の声。声や姿が中性的で男か女かはわからないが、そんなに大きな声じゃなくてもいいと思う。私は一瞬固まるがすぐに薬を頼むことにした。
「あの。月経に効く薬が欲しいです」
「月経?お母さんのお使い?それとも君が?」
「私です」
「分かった。じゃあ、ちょーっと手首触らせてくれる?」
「・・・」
「変態じゃないからね!!診察だからね!!子供用は大人と色々配合が違うからさ!!」
必死な感じが……でも、ミューカさんの紹介だし、大丈夫……だよね。
私は左腕だけをリンランの方へ出した。いつでも魔法で逃げれるように聞き手じゃないほうを出しておく。
「そんな引かなくても……まぁ、手を出してくれるだけいっか!」
リンランの手が手首を触る。
「う~ん。なるほど!!じゃあ作ってくるから椅子で待ってて~!」
1人納得したリンランは店の奥へと去っていく。
私は触られていた腕に何がされていないかと、なおす魔法をかけておく。
この魔法で痛みもなおせたら良かったのに……
「忘れてたぁ~!君、魔法使えるの?」
「使えますけど……」
「りょーかーい!」
リンランは戻ってきたと思ったらそれだけ聞いてまた去っていった。
今までに接したことのないタイプの人だから、どう話したらいいのか分からない……。
「お待たせ~!大体1週間分の月経に効く薬だよ。朝と夜に一粒飲んでね!代金は3650デルだよ!あ。持ってる?」
「あります」
月経に効く薬が入った紙袋を持って戻ってきたリンランに、ミューカさんから前もって聞いていた代金を渡した。誤差700デルらしいから、5000デル持っていっていた。
「1.2.3の650。うん!ちょうどだね!」
リンランは紙袋を私に渡す。
「今後ともごひーきにっ!」
「はい……」
店を出た私は、紙袋の中身を確認した。
紙袋で渡されるものはたまに中身を入れ忘れられる時があるためだ。
布に包まれて数十個の丸い粒の薬が入ってた。良かった……
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