食事の約束
ジェリエッタさんが落ち込むシンデレルの代わりに、色々と手続きとかを教えてくれた。
「あとは荷物だけだけですが、魔法で運べますか?」
「はい。何回かやれば」
「そうですか。……シンデレル。いつまでもうじうじしないで!」
ジェリエッタさんはシンデレルをしかった。話している間もシンデレルの落ち込みが直ることがなく、いい加減にしてほしいというジェリエッタさんの気持ちが現れていた。丁寧な口調が崩れてるし。
「そうだな……レイヴン。すまないな……」
「いずれ知る知識を先に知れて良かったです」
「そういう考え方もあるのか……」
ようやく落ち込みが直ったシンデレル。
すると隣から。
「おーねーぇちゃーん」
「エ…ル……ごめん」
隣から私を呼んだエルはソファーにだらりとしていて、エルの表情は「暇すぎてもう辛い!」と言っていた。
「僕、来なくてもよかったよ~!」
「確かに家にいても良かったね。ごめんね。本当」
「・・・プリン作ってくれたら許す!」
私はエルらしいと微笑む。
「味は?」
「牛乳な気分!」
「分かった。帰ったら作って夜に食べよう」
「やったー!ついてきてよかったー!」
エルの機嫌はプリンで解決した。シンデレルもこれくらいすぐに直ってくれたら良かったのに。それに、
「俺もた――」
「やめなさい」
「・・・」
シンデレルが「俺も食べたいと言おうと」したのをジェリエッタさんが止めている小声は私は聞こえていた。
「材料費をくれれば、作ってあげますよ?……色々と手伝ってくれたし」
「なら是非作ってもらいたい。出来れば君たちの家で……」
「・・・エル。理事長が家に来たいって」
私は絶対に嫌だが断ることもなんだか嫌で、判断をエルに託した。いつもはちゃんと決められるのに…
「おねぇちゃんのりょうりは美味しいから食べた方がいいよ!」
「だそうなので、都合のいい日に――」
「いつでも都合は大丈夫だ。なんなら今日でも」
理事長の決断は早く、今日と言われた。
「……なら今日で」
「よし!」
「本当にいいんですか?」
「大丈夫です」
一度良いと言ったからには、もうやるこということで進める。
「好き嫌いはありますか?」
「嫌いはないな。好きなのは魚だな」
「ジェリエッタさんは?」
「私もいいの?」
「はい」
少しだけ驚いた様子で言われたけど、ジェリエッタさんにもお世話になったから……そっか。お世話になったお礼がしたかったんだ、私。
「そうですか…私も嫌いなのはないので、レイヴンちゃんの作れるものを作ってください」
「分かりました」
それからシンデレルの家に向かう道中に私はシンデレルと呼び捨てでいいかと聞いてみた。
「むしろその方がいい。なんならシンと呼んでくれても……」
「いずれ呼べたら呼びます」
「そうか……」
愛称で呼ぶよりも呼び捨ての方が気になるものなのではと思ったが、シンデレルはそういう人ではなかったと思い出した。
エルの荷物と私とエルは魔法で先に家に帰ることにして、夕方にシンデレルとジェリエッタさんが森を抜けて来るということに話はまとまった。魔法で迎えにいくと言ったけど、魔力を使いすぎたら使えるだろうからと2人から遠慮された。
全然大丈夫なんだけどな……
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