透明
食後すぐに私はイズミとミキオ、影について言えることを詳しく聞いた。
影の知識は創った人物の知識量で決まるが、全ての知識を受け継ぐわけではないし、思い出としての記憶は一切知ることは出来ない。
逆に影の記憶は創った者が触れれば知ることが出来るらしい。
あとは生態について。猫や狼の姿だけど食べ物がどうなのかと聞くと、生まれた限りは食事や排泄は必要らしいが、食べ物や寿命については人間と変わらないらしい。
【つまりワタシたちは0才児ってことね】
最後に残った質問はイズミとミキオを外でどう扱うかだ。動物が喋ることは他の国ではあると聞いたけど、この国では全然聞かない。昔話にもそんな動物は出てこなかった。
「ねぇ、エル。ミキオとイズミが喋ったら他の人はびっくりするよね?」
「うん。猫とオオカミが急にしゃべったらこわい」
「だよね」
エルにも聞くが怖いとまで言われてしまう。本当にどうしよう……
【レイヴンちゃん。外では貴方達の影に入るから大丈夫よ】
【心配ご無用だよ!】
・・・すぐに解決したので、別の話をすることにした。
「なら学園に言ってエルのこと話さないとね」
「もうりょうに住まないって言いに行くんだよね!」
「昨日はいなかったからね。それにエル。勉強しにはいくんだよ?」
「あ……」
家に帰りたい思いの方が学校に行くより大事だったもんね。
「忘れてると思った」
「だって、家のことで、あたまいっぱいだったんだから、したかない!」
「仕方ないね」
「仕方ない!」
エルのいい間違いを直すと、ミキオから質問がされる。
【学園からここまでを転移の魔法で移動するのよね?見つからずに出来るの?】
「それは……」
確かに人目をどう避けよう?路地とか?でも、路地はカップルがよくいるから見られちゃうし……何処かに入って飛んでも急に消えたらより……
【そこはオレ達の出番!】
「?」
イズミは待ってましたとばかりに声を出した。
【オレ達は隠れる系の魔法はイメージしやすくて、人の姿を透明にも出来ちゃうんだよ!】
「コップになるの!?」
【いや、まぁ、見辛いって点では合ってるけど……】
つまり人から見えなくなるってことだよね。
「透明になる瞬間を見られても大丈夫だよね?」
【透明になる魔法は他の人が使うと魔力を大量に使うけど使えるから、後で言い訳が出来るわよ】
「おねぇちゃんになら出来るしね!」
【いやいや、自分が消えるイメージなんて中々出来ないと思うし、魔力だって――】
「……見せてもらえば出来なくはないよ?」
姿が見えなくなるような魔法なんて今、初めて聞いたし。
【魔力足りるの?】
「聖女適正試験を受けれるくらいには持ってるよ」
【【あー。あの】】
イズミとミキオの知識の中にどうやら聖女適正試験(偽)の正体を知っていると私は2人の反応で分かった。
「まぁ。ここにいるってことは、そういうことだよ」
【へぇ。レイヴンさんなら受かりそうだけどなー】
「そもそも受けてないからね。行ったけど」
【お金を渡されて、帰されでもしたのかしら?】
「うん。神殿の人じゃないけどね」
【【えっ?】】
イズミはともかくミキオは言ってたことが当たっていたから、驚かなくてもいいんじゃ?
「でも、別にいいから。聖女だって本当になったらエルと住めないでしょ?」
【まぁ】
【確かに】
「だから、聖女だったとしても神殿には住まないし、働くきはないよ。助けるのは聖女っていう位がなくても出来るでしょ?」
聖女はなおすのが得意な人を簡単に呼べるようにした名前にしか思えないし。戦い守る人を兵士さんや騎士と呼んでいるような感覚に近いかも?
【本当に8才児?年を誤魔化しているんじゃないの?】
「物の理解がちょっとだけはやいだけだよ」
【まぁ、身体はちゃんと子供だし!】
「それが?問題ある?」
イズミの言葉にイラッとしてしまったので、少し怒りをのせてイズミに聞き返してしまった。『ちゃんと子供』っていう言い方が物の理解が早いのをバカにされたのかと感じてしまったんだと思う。子供でも頭が良くても理解が早くてもいいと思うし……
【あ、や。ごめん……】
「うんん。こっちこそ怒ったみたいになってごめんね」
【ならおあいこってことで!】
「まぁ、イラッとしたのは本当だけど」
【怒ってるじゃん!】
食後の休息をこんな感じに会話をして時間が少し過ぎると、予定通りグロウス学園に向かう。
たまには学園から来てほしいとあり得ないことを考えるくらいには私は学園に行っていると思った。
私が通うのはあと4年くらいも先なのに。
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イズミやミキオは本物の動物ではないため、人間と同じ食事を取っても大丈夫です。




