見た目は普通な ★
翌日。
私はエルが起きる前に少し出かけることにした。もちろん書き置きはしてあるので、その時間までに戻れば心配はされるない。
――ガチャ。
【あ、おっはよー!早起きだねー!】
「……」
――バタン。
外に出ようとした私は、見てはいけないものを見た気がする。
――ガリガリガリッ!
【えー!見なかったことにしないでー!】
私は開ける前に1度考える。
まず、あの生物は猫であってると思う。タマサンの色ちがいみたいだったし。
でも普通の猫じゃない……だって猫は喋らないから。
……生物?あ。そっか。
――ガチャ。
【もー!閉め出すなんてひどいー!】
「あなたは影?」
陛下は言っていた。影人型じゃない影を付けると。この猫はもしかしたらそうなのかもしれないと。違ったらまずいから、影とだけ言ってみたのだが……
【えっ?オウサマに聞いてないの?なら仕方ないなぁ~オレはアレクス・K・インベルージュより生まれし猫型密偵だよ!】
どうして猫なのかは分からないけど影で合っていたみたいで良かった。
あと、みっていってなんだろうか?
「みってい?」
【密偵を知らないの?密偵っていうのはその人の近くでバレないように調べる奴のことを言うんだぜ!】
「へー」
この猫、聞けば何でも答えてくれるみたいだけど、バカなのかもしれない。バレないようにって言ってるのにもう私にバレてるし。
「貴方名前は?」
【オレにはまだ名前は無いよ!レイヴンに付けてもらえって言われてるけど付けてくれる?】
「呼び捨て……」
この猫にいきなり呼び捨てにされたくはない。と少し猫を睨む。
【あ、いやそのーレイヴンさんに、付けてもらってと……】
「そうなんだ。でも陛下に言われてたってことはみっていじゃないよね」
【あ。あははは……密偵じゃなくて監視って言われてたよーな?】
今思い出したんだ。
……それにしても私、名付け親になるんだ。……どんな名前がいいかな?
私は初めて何かに名前を付けるということにワクワクした。でも、付けたことないからどうやって決めればいいんだろう?
「・・・」
【あの~名前は?】
「今、考えてるの。邪魔しないで」
【あ、ハイ】
う~ん。灰色の猫……ハイとか?でも返事みたいだし……灰色ってネズミ色とも呼ぶよね。ネズミ……だと他の人から見られたときネズミ呼んでるみたいだし……ネズミイロの中ならなん文字か選んでみるとか?ミイロ、ネロ、ズミィ、ロネ……
私は時間がないことを思い出して急いで考えた結果、これに決めた。
「決まったよ」
【なになに?】
「イズミ」
【イズミ?なんか女の子みたいだね】
「嫌ならネズミで」
【イズミ!いい名前だよね!】
こうして王家の秘密を持つ私を監視する猫姿の影の名は【イズミ】となった。
【ちなみにミシュエル…君にも別の監視がいるからね!】
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