どうやら来ないようなので
グロウス学園理事長はシンデレル・【ハイサンド】だった……
誤字修正しました。
学園へと向かうために使うのは、先王様から授かった転移の魔法。
飛ぶ場所は理事長室にあったクローゼットの中。
あのクローゼットはつよい風で扉が開いただけだったから、被害は少ないだろうし、理事長以外に見つかっても理事長とかくれんぼでもしていたと言い訳が出来る。
転移のイメージの中にふわっと足がつくイメージをすれば、クローゼットがガタガタと揺れることはないと思うし。多分。
后太妃様にも別れを告げて、私とエルはグロウス学園理事長室のクローゼットへと転移をした。
ちなみにエルにはすぐに移動出来ることを誰かに言えばもう一緒に暮らせないと言って言わないようにした。
その方法で転移の魔法の事も黙っててもらえたと思うけど、『転移の魔法』だという確実に伝えてポロっとしゃべっちゃうより、少しは秘密から遠のくと思う。でも、エルの前で何度か転移の魔法と言ってるから、エルが考えてしまったらちょっと困る。もう少しだけエルの頭の理解力が遅くてもいいかもしれない。ちょっとだけ。
もっと簡単な方法があったかもしれないけど、私の考え方はまだ変わらないと思う。
――バサッ。ガタガタッ!
「おねぇちゃん、苦しい」
「そうだね……!」
学園の理事長室のクローゼットに飛ぶことは出来たけど、私のイメージではもっとちゃんと転移出来てたんだけど……予想外にクローゼットの中に服が入っていて、狭かった。
「いま、あけるからね」
「うん」
――ギギィ~
「誰もいないね……」
「えぇ」
クローゼットを内側から開けると明かりは付いているものの、理事長の姿はなかった。でも、明かりが付いているからいずれ戻ってくるはず。
「座ってまっていよ」
「えー。また待つの~?」
「大人には色々あるんだよ。まぁ少しだけここで待って来なかったら、家に帰ろ」
「うん!!」
10分・・・
30分・・・よし。
「エル、今日は帰ろっか」
「うん!」
私は来ないと判断してから扉の外を確認して来ていないことを確認すると、エルを抱き寄せて家へと転移した。来ないのなら最初から家に帰ってれば良かった。明日でも良かったんだよね。
「いえだぁぁぁ!!」
エルはとっても嬉しいらしく家の中を靴を脱ぎ捨てて走り回る。
私も今日の朝早くに出てから色々あったから、すっごく久しぶりな感じがする。
それにしても……私は家の中を駆け回る音や時々現れる走り回るエルの事を思い少し考えてしまう。
……こんなに嬉しがってるってことは悲しみも……いや。もう考えるのは本当にやめよう。これからエルを悲しませないように頑張ればいいんだから。
「おねぇちゃん!」
「ん?なに?」
「よるごはんいっしょに作ろ!」
「そっか。もうそろそろそんな時間だね……」
「僕、やさいの皮ならむけるよ!」
「なら、手伝ってくれる?」
「もちろん!!」
あぁ。心があったかい。やっぱり家族は近くにいないとダメなんだなぁ。
こうして私達はまたいつもだった日常をおくった。
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