転移の魔法を授かった
「転移の魔法は、1度でも行ったことのある場所に一瞬で行ける魔法だ。1人が使えれば魔力の量で何人でも運ぶことが出来る。この魔法は我々王家の魔法で身体に紋様を刻み魔力を流すことで使うことで出来る」
「もんよう?」
先王様が説明をしてくれくれるが分からない言葉が出てきて、ぽろっと言ってしまった。
「身体に転移の魔法のための模様を描いて、模様に意識を向けて魔力を流すと使えるの」
「難しかったか……」
「まだレイヴンちゃんは子供なのよ」
「普通の子供よりは大人びているだろう。これもあの人のせいか」
「せいだなんて言い方は止めてください」
「すまない」
先王様が后太妃様に叱られているが、后太妃様の声のトーンは『しょうがないなぁ』という感じだった。
「それでその模様だが、身体に描いても見えることはないようになっているから、誰かが真似をして漏れるということはない。さて、心の準備は出来たかな?」
「あ、はい」
元々もらうということだったから、準備は、出来ている。ドキドキ。
后太妃様とロットはやることがないのでエルとは別のソファーに座り待つことになった。
「では背中を私に向けてくれ」
「はい」
先王様の手が私の背中に触れると、じわぁ~と背中を何かが通る感覚がした。例えるならお湯で身体を流すときみたいな……
「終えたぞ」
「はい……」
5分くらいそのままの状態で立っていると、先王様から終わったと声がかかる。
つまり、私は転移の魔法が使えるようになったということだ。
「少し試してみてくれないかい。部屋の端から端へと飛ぶイメージを持って」
「……はい」
外でいきなり使って失敗したら危ないもんね。
「……転移して!」
背中の模様を意識して魔法を使う。
「あっ……」
目の前や周りを見ると、さっきまで扉の近くにいたのに今は窓の近くいる事が分かった。つまりは成功したのだ!
「すごい……」
「転移出来たな」
私は凄さを感じながら、もう一度転移の魔法を使って元の場所へと戻った。
「では弟君にも……」
「待ってください」
私は先王様に待ってといって止めさせてもらう。
「弟君にはやらなくていいのか?」
「いえ、その、エルにはまだ早いと思うん、のです。ですから、出来れば!出来ればでいいので、私がエルが使っても大丈夫だと思えるときに解放出来るようにしてほしいんです!」
「・・・」
先王様は机に向かって黙り混んでしまった。
私はもしかしてお願いと言って、言い過ぎちゃったのかもしれない……
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