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お願いの実行


考えている時間は短かったため、そんなに陛下達を待たせることはなかった。



「へいか、ではお願いの方を叶えていただきたいです」

「すでにあるのか?」

「はい」



そうした方が良いと、自信を持って言われたから。



「そうか」

「アクセサリーやお洋服なら私が用意しますね」

「なら私は人脈を」

「それで……願いとはなんだ?」



后太妃様が服など用意するといい、王妃様は人との関わりを手伝ってくれると言ってくれたが、私が陛下に願うのはそれじゃない。

私は理事長から言われた言葉を陛下へと話した。



「転移の魔法?、を私とエルに授けてくれませんか?」

「!!!」

「レイヴンちゃん、それをどこで……いえ、その前に確認をさせて。どこまで王家の秘密について理解しているのかしら…?」



私の言葉に陛下は驚き、后太妃様は驚きながらも疑問を私に話しかけた。

でもどこまでって……



「創生の魔法で、考えたことは何でも出来ると……」

「『転移の魔法』という言葉はどこで聞いたのかしら?」

「りじ……シンデレル・ハイサンドさんから……」

「ジャル。お前は知っていたのか?」

「あの理事長が知ってるって知らなかったのか!?」



后太妃様の質問に答えている時、後ろでジャルがゼイラルさんから聞いていたのかと聞かれていた。



「知らない。こちらで確認できているのは『創生の魔法』の事を知っているということだけだ。『転移』という移動出来る魔法まで知っていたとは知らなかった……いや、創生の魔法を、知っていたら考え至る可能性は……だとしたら、誰から?陛下。シンデレル・ハイサンドについて詳しく調べますか?」

「そうだな……」



確かにあの理事長は危ないと思う。



「お待ちなさい、アレクス。その必要はありません」

「母上…?」

「レイヴンちゃん。お知り合いに図書館の館長をしているおじいさんはいる?」

「……はい」

「名前はタダン・マッカード……?」



后太妃様が言った通り私の知り合いで図書館にいるおじいさんで館長なのは、タダンさんだけだ。

私は后太妃様の言葉に頷いてそうであると答えた。



「アレクス。その人からシンデレルというか方に話が言ったのだと思うわ」

「どういうことですか?」

「彼は昔私の家庭教師だった者であり、私が……唯一秘密を漏らしてしまった相手です。


秘密を誰にも言わないという、レイヴンちゃんと同じ事をするとなった際に、彼は私と主人が生きている限り、家族を守ってくれと」

「ならば、その人が孫に喋ったということですか?それでは秘密を誰にも言わないというのが果たされていないではありませんか」

「彼もペラペラと喋る人ではありません。自分がどうなろうと孫の将来を固めたかったのでしょう。たとえ、王家に目をつけられたとしても」



タダンさんが理事長のおじいさんだったなんて……でも、納得出来ることもある。



「ならばおばあ様。どうして理事長はレ、イヴンに話したんですか?」



私の名前だけどうしてすらすら言えないの……言いにくい訳でもないのに。



「それは、私にも分からないわ」

「あの~彼がレイヴン・バルオンに『お兄ちゃん』と呼ばせたがっていたことは……関係あるでしょうか?」



分からないと答えた后太妃様の言葉の後に、ジャルが報告するような形で理事長の事を話した。



「お兄ちゃん?」

「レイヴン、理事長は君のお兄さんなの?」

「違うよ」

「なら」



何故『お兄ちゃん』と呼ばせたがっていたのか。

私はエルを学園に入れるために理事長と話したことを仕方なく話した。



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