初の謁見
私達はほとんど誰にも会わずに、国王様のいる部屋まで向かう。
人が少ない道を通ったみたい。
今までより大きくキラキラとした扉の前で一度止まると、扉の端と端にいた体格のいい兵士さん達が、2人がかりで扉を半分開けた。
私はここに来るまでにゼイラルさんに言われた事を思い出していた。
『陛下はレイヴンさんとミシュエル君に気軽に話してくれと伝えるように仰られていましたが、一応陛下から声がかかるまでは言葉を発しないでください』
『へいか以外に人がいるんですか?』
『その通りです。知っているもののほとんどが揃っています。この中には礼儀を弁えろというやかr……人もいますので』
『ゼイラル、お前今、輩っていいかけたろ?』
『貴方も気をつけて下さいよ?』
『分かってるよ』
部屋の中は扉と同じ大きさの長いカーペットが奥まで続いている。
天井にはキラキラとした光があって、まるで雨粒に光が入ったまま固まってるような形が塊になって、いるのがいくつもある。
「止まってください。……ここで陛下をお待ち下さい」
その部屋で少し高くなっている場所の前でゼイラルさんに止められると、私とエル以外の人達は全員のカーペットの外枠に並んだ。
目の前には全体的に金色で座る部分が青い大きな椅子と、造りは一緒の椅子がいくつか横に並んでいた。
大きな椅子に多分、王様……へいかが座るんだろうな……
少しすると男の人が出てくる。
「国王様。王妃様。后太妃様。王太子様が参られます」
その言葉が部屋に響くと、奥から呼ばれた順番とは逆から人々が現し始め、椅子に座っていく。
そして一番最後にへいかが現れ、大きな椅子へと座った。
これからする話はエルには分からないことが多そうだ。
「よくぞ来た、バルオン」
低くハッキリとした言葉が私の家名を呼ぶ。これは……喋って良いってことだよね?この部屋にいる全員の視線が私とエルに向けられて少し緊張しながらも返事をした。
「はい」
エルには私が名を呼んだときだけ喋ってと伝えてあるので、エルは喋らずじっとロットの方と后太妃様の姿を目だけでキョロキョロと見ていたのが、目のはしっこで見えた。
「何故呼ばれたのかは分かっているな?」
「はい」
「この力は世に出ていいものではない。それを平民である貴殿ら姉弟が知ってしまった。この王太子の軽率な行動によって」
「……申し訳ありません。陛下」
ロットが申し訳なそうにへいかに謝った。
「本来ならば貴殿ら姉弟の記憶を消すことも可能だ。しかし、后太妃と王太子から消さないでほしいと懇願され、条件付きで口止めということになった」
陛下はロットの言葉に返事をせずすらすら喋っている。言葉をかけるタイミングを与えないようにしているみたいだけど。
「条件は1つ。これより5年間貴殿ら姉弟に影をつける」
影?
「24時間、366日、貴殿らが口止め出来なかった時、それを話した相手と貴殿らの記憶を消し神殿地下で一生暮らしてもらうこととなる」
私は少し前に理事長が言っていた『軟禁』という言葉の意味が浮かんだ。
「しかし貴殿ら姉弟はまだ幼いが、レイヴン。お前は頭が良いと聞いた。今までの話をどこまで理解している?」
「…影の部分以外はすべてりかいしています」
「そうか。影については別の場所で話すことにする」
別の場所で?
「メイジ。ムーロン。バルオン姉弟を例の場所へと招け」
「「はい」」
陛下や他の王家の人々は、入ってきた場所から去っていってしまった。
どこか別の場所に連れてかれるみたいだけど……さら最初からその別の場所で良かったんじゃ?と思ってしまった。
「おねぇちゃん……立つのつかれたぁ」
「ごめんね、エル。もう少しだけ我慢して」
「うー」
それから私達は、陛下に頼まれていたゼイラルさんとジャル先導で例の場所へと移動をすることになった。
履き慣れない靴で歩きすぎて、中の足が痛みそうだな……
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