和解
ジャルを黙らせたジェリエッタさんが、勝ったような顔をしている間に、理事長が話しかけてくる。
「とにかく、レイヴン。陛下に会って秘密にする条件で転移の魔法を授けてもらうんだ」
「分かった」
転移の魔法と授けてもらうがよく分からないけど分かったことにしておく。だって、
「ねぇ、ジャル。馬車に乗るわけじゃないよね?」
「あ」
「はぁ……。エル。おねぇちゃんと仲直りしてくれる?」
「ぐすっ。……なかなおりする」
私はエルと私のため、王宮へと行くためにエルと仲直りをしようというと、エルも受け入れてくれた。ケンカしていた訳じゃないけど、そもそもエルが悪いことなんて1つも……いや、この荒れた理事長室の件があった。
「エルは理事長室を荒らしたことに謝って」
「おねぇちゃんは、僕に言わなかったこと、謝って」
私達は相手に謝ってほしいことを言い合う。違うとかいやだとは言わない。
エルは袖で涙を拭くと、私を見上げそのまま十秒みつめあうと、
「ごめんなさい。ミシュエル」
「ごめんなさい。おねぇちゃん」
私達は頭を下げて謝りあった。
重要なのは相手の謝るのを見届けてから謝るんじゃなくて、同時に謝ること。じゃないと、先に謝った方が悪かったみたいになるからだって、おばあちゃんが言っていた。
本当におばあちゃんから教わったことは役に立つとのばかりだ。
私達は頭を上げると、エルはまた私の所へと抱きついてくる。今度は悲しくてではなく、嬉しくてだ。私も嬉しい。
「あー。仲直りしたんだよな?」
「うん!」
「見て分からないの?」
「だから聞いたろ!!」
その後私達は理事長室を何もせずに去り、王宮へと走って向かうことになる。
あの荒らしてしまった理事長室については、理事長とジェリエッタさんはこちらでやるから心配はないと言ってくれた。せめて片付けとかを手伝いたかったけど、王宮へと行く方が大事だと言われてしまって、理事長室を後にするとこになった。
馬車に関しては、私もエルも乗らないと強くいったため魔法で強化して、行くことになった。エルはまだ自分自身に魔法を使うことが出来ないため、仕方なくジャルに背負ってもらう。
エルも嫌そうな顔をしていたけど、受け入れてジャルの背に乗った。
私は自分で強化して走っている。でもさっきよりは疲れてない。何でだろう?
「ぐっ!弟、君。首!絞めてるっ!っはぁ」
「落ちそうだからつかんでるだけだもん」
「落とさねーよ!」
前からはケンカのような楽しげな会話?が聞こえることが何度かあったりして、私達は王宮の近くまで来た。
この場所は、前に后太妃様の所へと行ったときの隠し通路がある、家だと言うのを入ってから思い出した。
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