可愛いくて
※話数『グロウス学園』に挿絵を追加しました。
とりあえず、エルから話を聞くしかない!
「エル、何があったの?」
「……かわいいって……!さわって!いっぱいでぇ!」
「うん」
「こわくて逃げても!わらっててっ!」
「うん」
「怖かったぁぁぁぁーー!」
「そっか。良く逃げてきてくれたね……」
エルの頭や背を撫でて安心させている間に、私はエルの話をまとめてみる。
『かわいいって』エルが可愛いと言われた、もしくは言った。
『さわって』体のどこかを触られ、触り。
『いっぱいで』多分、人がいっぱいいた。
『こわくて逃げても笑ってて』これがよく分からない。うーん。笑う……逃げても笑ってて?
エルに起こったことを私は考え、エルに確認する。
「エルが可愛いって言われて、さわられたの?」
「……う」
『うん』か。
「笑っててって、『キャー』って笑われたの?」
「うぁーーん!!おねぇちゃんまでわらわないでぇーー!」
「笑ってないよ」
『笑ってて』の部分は、エルが逃げたことが。逃げた姿が可愛くて『キャー可愛いー!』って笑われたのだというのが分かった。
小さい子が走ってるのってなぜか可愛く思えるんだよね……
「エル。その人達は笑ったんじゃなくて」
と、言おうとしたけど笑っていたのは事実だ。うーん。どう説明しよう……
「ミシュエル。それは、君が可愛くて笑ってたんだ」
「……かわいくて?」
「・・・」
私の代わりに泣き止んだエルに説明をしてくれた理事長の言葉を聞いて、そのまま言えば良かったんだ……と思った。
なんで言えなかったんだろう?
「ミシュエルは小さいから、大人からしたら走ってる姿も可愛いんだ」
「…でも、僕は男の子だよ?かっこいいって言われたい」
「体が小さいうちは可愛いって言われるのことは仕方がない。俺も……そうだったからな」
「シンデれるも?」
シンデレルって言いにくいもんね。でも『さん』は付けようか、エル……
「っ!あぁ!俺もだ!」
理事長が喜んでる。なんだろう?
でも、お父さんと重なる……だとしたら、名前を呼ばれて喜んでるの?父親のような気分っていうのは嘘じゃなかったってことかもしれない。
それに呼び捨てにされたことは嫌だとは思ってないようだ。
「なら僕もいつかかっこいいって言われる?」
「言われる…だろう」
今のままだと可愛いのままだって思ったんだろうな、理事長も。
「そっか……なら、がまんするね!」
「かっこよくなれるといいね」
「うん!がんばる!」
エルのかっこ良くなるため頑張ると宣言したところで、エルが開けっ放しにしていた扉から、
「ミシュエル君!やっぱり帰ってたんですね」
――バタン。ガチン。
女の人が安堵した様子で入ってくると、きちんと扉を閉めた。
カギも。
「ミシュエル君。彼女達は私がきちんと叱っておきましたから」
「うん!僕、かっこよくなるから大丈夫!」
「はい?」
女の人は理事長に説明を求め、理事長はエルに何があったのかを説明を求めて、2人の説明を聞くことになった。
理事長の話は今までにあったエルとのこと。
女の人はエルに何があったのかを語った。
エルがトイレを終えると、ちょうど職員室に用のあった女生徒達が女の人を見つけて、隣にいたエルを『可愛い』と言い出した。嫌がるエルを無視して、髪やほっぺや手を触ってくる女生徒達からエルは逃げたしたのだという。
女の人は去ってしまったエルが階段を駆け上がって行ったのを見て理事長室に向かったのだと判断して、その女生徒達を叱ってきたのだということだった。
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