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パイルさん


ミューカさんの家へと辿り着くと、ミューカさんの旦那さん、パイルさんが玄関の前でそわそわとしていた。不審者……


私は迷ったが声をかけ、何があったのかを聞くことにした。だって、そうじゃないと仕事が出来ない気がしたから。



「パイルさん?」

「ん?レイ!ミシュ!良かった!」



パイルさんはミューカさんと同じく、私とエルを愛称で呼んだ。



「どうしたんですか?」

「実はね、カイルの試験結果の手紙が今日届くんだよ!だからこうして配達を待っているんだけど、そろそろ仕事に行かなきゃならなくてね!でも、結果が気になって仕事に集中出来ないかもしれないんだ!だからね、レイ、結果を届けてもらえる?もちろん、仕事が終わったあとでいいから!支払いはちゃんとするから!お願いできる!!?」



カイルというのはミューカさんとパイルさんの息子で、エルと同い年の子。

試験結果というのは、先日あった学校へ入るためやっていた学力テスト。

その結果で学校へ通えるか通えないかが決まる。


パイルさんは、その結果が気になりすぎて仕事に行く時間ギリギリまでここにいたみたいだ。

でも、仕事を休むことはしたくないから、私達に頼んでいるのだ。


それにしても、お願いするだけにしては顔が、いや、全体的に近い。



「あの、近いです」

「おねぇちゃんに近づかないで!!」



私の言葉とほぼ同時くらいにエルが私を引っ張ってパイルさんから離れていく。



「あ、ご、ごめんね!それで……どうかな?」

「いいですよ。今日のお仕事はここだけなので」

「ありがとう!!!」



パイルさんは私の片手を両手で包み込むと、感謝の言葉を言ってくれた。まぁ、お金が貰えるしね。



「おねぇちゃんに近づかないでぇ!」



エルは私とパイルさんの間に入ると、パイルさんだけを押して私と離した。エルはパイルさんだけには何故かなつかず、反抗的である。



「ご、ごめんって!」

「はなれて」



そのパイルさんもエルに好かれていないのが分かっているようで、いつもエルの扱い方に戸惑っている。仲良くしようと近づくか、距離を取るかで。



「それじゃあ!よろしくね!」

「はい」

「ふん!」



パイルさんは足早にこの場から去っていった。

今まで気にならなかったけどあそこまでパイルさんを、好きじゃないのはどうしてなのか気になってきた。



「エル、どうしてそこまでパイルさんが好きじゃないの?」

「………だって、毛がチクチクしていたいんだもん。おねぇちゃんにおんなじことされたくないから、はなれてもらうんだ!」

「・・・」



そういえば、エルとさんが初めて会った時、パイルさんがエルが可愛くて抱きついてたっけ。その時確か頬擦りされてた……ヒゲか。嫌なのは。


まぁ、私は朝帰りした父さんにやられたことがあったから多少は耐えられるけど……ちょっと嫌だったかな。元々ヒゲが生えてるならいいけどパイルさんも父さんも違うからね。



「それに、にやにやしててやだ」

「・・・そっか」



にやにやしてるのは、エルと仲直りしたいからだと思うけど……まぁ、その内に関係は直るはずだよね。うん。



「それじゃあ、エル。お仕事はじめよっか」

「あ、そうだった!よーし!がんばります!」



私達はミューカさんの家へと入り、掃除を始めていく。エルの担当は床掃除と、お風呂の掃除。私は洗濯物や布団、アクセサリーなどを分担してやっている。

私1人の時よりもやっぱり2人の方がペースは早くなるね。



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